ーーーファンデーションの色・イエベブルベにもの申したく・ワトゥサがブルー転びである根源・パーソナルカラーという括りにももの申したくーーー
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ファンデーションの色
ブルベイエベの理屈もいいけど、要は個々が冴えるか冴えないか、かも
ファンデーションの色といえば、今では当たり前のように「ブルベ(ブルーベース)」「イエベ(イエローベース)」という言葉が使われていますが、私はもうかれこれ22年前、1998年にカバーマークが「ジャスミーカラー」を打ち出して耳にするようになってから知りました。
カバーマークでは、スキンアンダートーン(皮下を流れる血流の色影響)が肌色を決定する大事な要因としています。
肌色は、動脈の赤いフィルター、静脈の青いフィルター、そして表皮メラニンやカロチンによる黄色いフィルターの3色のフィルターから成るとのこと。
私自身は、肌色というものをブルーベースとイエローベースだけに分類したとしても、グリーンに傾いていたりピンクに傾いていたりするので、様々な明度彩度に分けられると思います。
15年くらい前だかに興味を持って、カバーマークで判定してもらったところ、私の肌色はブルーベースだということは一応、分かりました。
確かにブルーベースのファンデーションを選んだ方が、いわゆるメイク「アップ」、顔色がアガるのです。
つまりはブルベは青味の肌色だ、というより青味をプラスすることで馴染んで顔色が冴え、イエベは黄色い肌色だ、というより黄味をプラスすることで馴染んで顔色が冴えるのでは?
と思いました。
ブルベがイエベのファンデーションを使っても、そもそも一括りにするとしょせん「肌色」だから最初はそれはそれでアリな感じなのですが、経時で冴えない顔色になることに気付いたからです。
しかし。
暗めのピンクがあるブランドならば(色白ではないので)、ピンク味のファンデーションでも冴えると感じます(下記「「ピンク」はブルベ寄り」へ)。
その後、ブランドによっては完全なイエロー転びの色展開だったりするので、特にブルーベースにこだわらず、「まぁいいか」な選び方をすることもありますが、私が気にするのは明度より彩度。
彩度が合っていれば、だいたいはなんとかなります。
ファンデーションのイエベは正統肌色、ブルベはスモーキー肌色
さて。
カバーマークなど、ブルベイエベと分けていないブランドの場合、ブルベとイエベはどう見分けるでしょーか。
ドメスティックブランドで「ベージュ」と書かれたものは、ほとんど全てに近いくらいイエベです(外資ブランドならたまにブルベのベージュもあるのがややこしいですが。)
イエベの肌色は、幼稚園で使うクレパスやクレヨンの正統な肌色だと思ったら分かりやすいかも。
子供の頃に「これが肌色ですよ~。」と刷り込まれた肌色は、とても綺麗な肌色です。
対してブルベの肌色はクレパスやクレヨンの正統な肌色ではなく、極端をいえば少し「グレーがかった肌色」です。
グレーって?妖怪かよ?ですが、肌色に水色(青ではなく青と白)を足すとグレーっぽくなるからだと思われ。
ファンデーション自体の見た目はイエベよりスモーキーなので汚いといっても過言ではないかも。
「ピンク」はブルベ寄りが多い
そしてブランドによっては「ピンク」と書いていたら、それはたいていはブルベ肌色だと感じます。
肌色に赤を足すとオレンジ色っぽくなりますが、「ピンク」は「赤と白」なので白が存在するピンクを足すとパステルスモーキーなピンクグレーになります。
この「ピンク味」が足された肌色は、正統なイエベ肌色と違ってグレー転びになる=よってブルベ肌色っぽい。
これは私の勝手な解釈ではありますが、このように捉えています。
パステルカラーの中のスモーキーカラー。
いわばマリー・ローランサンの絵画の色味。
ペールカラーを原色に白を混ぜた色だとしたら、スモーキーカラーはグレーを混ぜた色です。
で、ブルベ肌色はペールカラーに近い明るいスモーキーカラー。
「ピンク=白浮き」「色白=ピンク」ではない
ところで、ドメスティックブランドで「ピンク」と書いていると白浮きしそうで避ける人が多いようですが、ピンクだから白浮きするのではなく、単に「ピンク」というカテゴリーを最も明るいピンク味1色のみで展開している場合が多くて、「ピンク=白浮き」のイメージが付いているように思います。
ピンク肌にも明るいピンク肌と暗めのピンク肌があるので、「ピンク=必ず白浮き」のイメージは捨ててください。
これまで、ベージュやオークルと書いた色がピンと来なかった人は、一度、試しに「ピンク○番」と書いた色味を選んでみてください。
もしかしたらシックリ来るかも。
逆に色白の方は「ピンク」を勧められ勝ちと思いますが、黄色転びの美しいアイボリーカラー肌だったら「ピンク」はズレます。
白肌=ピンク味を帯びている、は多くはあるから植え付けられたイメージ。
黄色転びのアイボリーカラーに明るいピンクを乗せると昔のドーランになりかねないので、明るいニュートラルな肌色を選びましょう。
オークルって何色よ
しかし、たいていのファンデーションは「ピンク」が存在せず、「オークル」か「ベージュ」と書いています(先に書いたように「ピンク」があっても明るい1色だけの場合多々。)
さて。「オークル」ってなーんだ?
何故かこれ、フランス語。
直訳すると「黄土色」という...土偶かよ、な、なんとも引いちゃう訳ですが。
日本では一般的にはファンデーション以外では使わないと思います。
面白いよね、商品名が英語の「モイスチャーファンデーション」なのに色名は「オーカー」じゃなくて「オークル」←鬱陶しいおばさんの一人言。
オークルはベージュより少し赤味よりで、その展開は様々に赤みと黄みのバランスを取った色のようです。
親切に「ベージュオークル」と書いていたら明らかに黄味寄り、「ピンクオークル」と書いていたら明らかにピンク味寄り。
「ベージュオークル」とか「ピンクオークル」と書いていなくて、「オークル」の提示しかなくても、イエベは見つけやすいです。
中でヌケのよい綺麗だと感じる正統な肌色の中から明度を選びます。
ブルベは難しい。
オークルの中でクレパスクレヨンの肌色ではない、「ちょっとグレーっぽいかも」な色を選んでみたら、シックリ来る可能性が高いですが、「赤味が強くてグレーっぽく見えるから選んだらトーン落ち」にもなりかねず。
頬下方に塗ってみて確認した方がいいです。
経時で変化するものあり
ファンデーションは塗った時には白過ぎたのに経時でトーンが落ちて馴染んだり、ちょうどよかったのにクスんだりするものが、今でも稀にあります。
可能であれば、肌のどこかに塗って、数時間様子を見てみましょう。
合わなかったら
合わない色のファンデーションに出くわしたら、それより明るい色や暗い色を追加購入して混ぜます。
2色持っておくのは損じゃない。
シーンに応じてトーンを変えることができるし、部位別に立体顔を作ることもできます。
ワトゥサはザックリ分けるとブルー転び
例えば、個人的に愛用のワトゥサのファンデーションは、ザックリ分けると全てブルー転びです。
これは、プロデューサー渡辺サブロオ氏がブルベイエベを意識して、ブルベで構成したわけではありません。
むしろ、全然関係ない視点。
シバヤマ美容室に勤めている時、お客様にシバヤマ美顔術を施した後で「好んで」メイクも施していたら、本人が特に希望したわけではなく、あれよあれよと「撮影班」に配属された経緯により、22才でヘアスタイルも担う「ヘアメイクアップアーティスト」となり(ヘアもメイクも受け持つヘアメイクアップアーティストという職種は渡辺サブロオ氏が最初です)、「女性の肌が美しく見える色(厳密には男性も含めた人間が美しく見える色)」を探求した結果の発色です。
日本人は黄色肌だからイエローベースにすべきと思い勝ちですが、何故にドメスティックブランドのワトゥサの色展開が偏屈にもブルーベースなのかというと、昔々の「銀幕」からの発想です。
もとい
発想というより、結果的に感性がそうさせた。
昔々のカメラはレンズが悪くて、映写機にアルミと青銅の粉末を油性塗料に混ぜたものを塗布して反射効率をよくしていました。
それによって画面のヌケ感がよくなっていたそうです。
私が聞いた話しでは、レンズに被せた青銅、銀、つまりシルバー、つまりブルー転びが当時の女優の肌に輝きと艶めきを与えていたそうです。
サブロオ氏曰くは「青いドロッとした膜。」。
これが「銀幕の女王」の語源です。
それはイエロー転びでは成し得ない透明感。
ワトゥサは、これまた無意識ながらにこれをカラーで表現している、というわけです。
だから、いわゆる「ブルベ」を意識しているわけではなく、ザックリ分けるとブルー転びではありますが、「ブルベカラー」ではなく、あくまでも「女性(人)が美しく見える色」を意識したら出来上がったのが現存する色展開。
ワトゥサのファンデーションは、私がブルベだからではなくイエベの人でも、どの色を使っても彩度が高いトーンアップ顔となりますが、いわば彩度が高いので、全色それぞれの明度で「なりたい顔色」が実現するというわけです。
ワトゥサ「ニュアンスカラーズ」も全てブルー転びですが、瞼に「no.411アジュール」を被せるのも、瞼に疲れた影なく若々しく見せるスクリーンからの発想。
頬に入れると顔色が冴え渡る「no.410ラヴェンダー」も青味効果。
(※数年前からmade in Italyではなくなったので透明感は落ちています)。
(以上、ソースは渡辺サブロオ談)
ワトゥサは「ポイントカラーズ」及び口紅などのカラー展開も人自身が華やぐブルー転びです。
ヌケるようなオレンジ色もブルー転び、爽やかな茶色もブルー転び。
チークに最適なポイントカラーズの「no.523エンジェリック」「no.524スタートルッコ」は、びっくりするくらい奇抜に見えるのにはっきりと顔色が冴える、どこにも見つからない、最たる青味ピンクです。
これら女性をアゲる色展開。
ドメスティックブランドだけでなく、ワールドワイドに見つからない色展開は、私はある意味で有形文化財だと思っています。
※ちなみにですが、このところの新色には渡辺サブロオ氏は関与しておらず、上記はロングセラー既存色に関してのみです。
パーソナルカラーなんてな
ブルーがかり、イエローがかり
ブルベイエベと同じく、パーソナルカラーなんていうのも、人は様々で「どちらか」とか「どこに」という括りにキッチリ当てはまるものではないとは思います。
ただ、自分を「冴えなくする」とか「サゲる」必要はなく、自分自身で自分の似合う(アガる)が分からなければ、この客観視をちょっとした参考程度に受け止めればいいと思います。
「なるほど!」が見つかった方が楽に生きられるから。
洋服屋さんの「お似合いですぅぅぅ」は聞こえないフリをした方がいいです。
全く似合っていないのに「お似合いですぅぅぅ」と言われている光景を何度も見ています。
的確な自分の目を養いましょう。
ファンデーションのブルベイエベは動脈だとか静脈云々で肌色を分けていますが、カラー全体の基本もブルーとイエローに分けています。
(旧ホームページに書いたことがありますが)昔々30才になった頃たかに興味でカラーコーディネーターの学校に通ったことがあり、「世の中にはブルーがかった色とイエローがかった色がある」と教えられました。
いや、「ある」ではなく、「しかない」とまで言われました。
講師は、例えば配色として「ブルーがかった木にはブルーがかった葉と花」「イエローがかった木にはイエローがかった葉と花」が付随するそうで、それが自然界の掟だと話されました。
そして絵を描く時に「ブルーがかった木にイエローがかった葉と花」をくっつけると、それはそれはダサい配色になるそうです。
これは実感的によくわかる。
音でいうと不協和音みたいなものですね。
不協和色。
わざと不協和音をひねくり回して作曲する場合もありますが、高度なセンス必須です。
教材の中にとてつもなく分かりやすいカラーキープログラムというものがありました。
ご存知の方には失礼な説明ですが、青や水色がブルーがかりというわけではなく、また、黄色や茶色がイエローがかりというわけではありません。
青や水色にもブルーがかりとイエローがかりがあり、黄色や茶色にもブルーがかりとイエローがかりがあります。
黒にも白にもブルーがかりとイエローがかりがあります。
私はこれで、例えば「好きな黄色、嫌いな黄色」「似合う黄色、似合わない黄色」の根源を感覚ではなく脳ではっきりと理解できました。
雲が流れて晴れたという感じ。
(私の場合、似合わないとかではなく好き嫌いらしいですが。については下記へ。)
例えば、青が似合わない、黄色が似合わないと決めつけてしまっている方は、似合わない色味とは違う青や黄色を顔に当ててみてください。
似合う青や黄色に出逢う可能性が高く、嫌いな色が好きになるかも知れません。
写真を載せてみましたが、上がブルーがかり、下がイエローがかりです。
分かりやすいです。
簡単にいうと、ブルーがかりは尖ってヌケ感が強く、イエローがかりは甘く優しい自然界的(南国カラー省く)。
ピンク、青、ブラウン、グリーンを並べてみます。
右がブルーがかり、左がイエローがかりです。
ピンクはチークや口紅にも繋がります。
ブルーベースの人はブルーがかりのピンク(いわゆる青みピュアピンク)
イエローベースの人はイエローがかりのピンク(いわゆるピーチ色、サンゴ色)
が似合います。
ちなみに
たいていのブランドでは、サンゴ色を「ピンク」と名付けているし、ほとんどのブランドにブルーがかりのピンクは存在しません。
黄色肌の日本人にはイエローがかりのピンクの方が「馴染む」ことになっているからです。
外資ブランドですらら、ブルーがかりは少ないです(日本仕様のためか?)
私には「サンゴ色」と「ピンク色」はまるで違うから、サンゴ色に「ピンク」と書いているのは違和感大なのです。
どちらにも片寄らない人もある
もう一つ、ついで話しですが、カラーコーディネーターの講師によると、私のパーソナルカラーはブルーがかりでもイエローがかりでもないそうです。
講師は私に「ブルーベースの布」「イエローベースの布」を繰り返し被せては、とうとう面倒くさそうに
「何、この人。あなた、髪や瞳と肌色が合ってない。どっちでもいいわ。」と言いました。
なんだか口の悪い息巻いた女性講師でしたがね。
自分の中の規格の外にあって腹立たしかったのでしょうか。
髪や瞳と肌色が合ってないって。
センスの悪い配色人間で悪ぅございまして。
パーソナルカラーには更に
「イエベのスプリングタイプ、オータムタイプ」
「ブルベのサマータイプ、ウィンタータイプ」
と分ける方法がありますが、これこそ私にはスットコドッコイ。
どれも当てはまり、どこにもあてまらない。
そして
「あなたは気合いを入れたい時や晴れやかで居たい時はブルーがかりを選んでいると思うし、のどかな時はイエローがかりを選んでいる、あるいはブルーがかりを身に付けている時は元気が出て、イエローがかりを身に付けている時はテンションが低いでしょ。絶対そうよ。」
とのこと。
決めつけられてもな...
けど、それは確かに当たっていたので、納得しました。
ということで私はここで、人によっては「どちらにも属さない」場合があるよ、と伝えたかったのです。
百人百様だから変異もあるわけで。
印象を操作して楽しもう
でも、「どちらにも属さない」は「どちらにでも転がれる」ので、他人に与える印象を極端に操作できます。
茶色はザクッというと、コーヒー色がブルーがかり、ココア色がイエローがかり。
私はパーソナルカラー云々を知らない大学時代、すでにコーヒー色のコートを着ると尖り、ココア色のコートを着ると和らぐことに気付いて、自己演出を楽しんでいました。
自身のオーディションにはコーヒー色、教師の二期会コンサート観覧にはココア色。
コートは脱ぐから関係ないかというと、インナーもカラーリンクしているわけだし、到着するまでの鎧だから精神に影響します。
そして。
どちらかに属していようが、気合いを入れて檻を破り、髪の色や肌の色(ポイントメイク含めて)、カラコン、そして気合いで「なりたい私」を演出できるのも本当です。
「自分らしさ」とか「自分探し」なんてセリフがありますが、「らしくなく変えたい」も自分らしさの一つ。
変えたかったら変えればいいし、らしく在りたかったら、「らしさ」を追求すべし。
そして「らしさ」や「探し」なんかに括られなくても快適が一番。
人はどこかにだけ属さねばならないわけではないから。
その時々、在りたい自分、なりたい自分を楽しんでみましょう。
実は年齢を重ねると「どっちでもエーわ。」なんてことが多い体たらくになりましたが、若い人には特にまだまだ可能性と自由を謳歌して欲しいと思います。
ファンデーションの色について書き出すと派生して長くなりましたが、最後までお読みいただいてありがとうございました。