ーーー万能ビタミンーーー
目次 / contents
ビタミンC(アスコルビン酸)の恩恵
美容面からいうと、内服でも塗布でも、コラーゲンなどのたんぱく質の合成に必要なビタミンC。
- ※理由・組織結合たんぱく質であるコラーゲンは、ヒドロキシプロリンとヒドロキシリジンによって強い結合力を保っています。
これらヒドロキシル基の導入には酵素の働きが必要で、酵素が活性するにはビタミンCが必要だからです。※
何より抗酸化作用イコール老化防止作用。
健康面でも、軟骨、腱などの結合組織を構成するには欠かせない成分です。
しかし、ヒトは体内でビタミンCを生合成することができないので、日々の食事やサプリメントから摂取するしかないのですが、残念なことに非常に壊れやすく代謝されやすい厄介な成分です。
充分なビタミンCを食物から摂取するには、1日必要量の3倍の量を摂る必要があるそうです。
(ビタミンCは仮に摂取し過ぎても水溶性なので尿と一緒に放り出されます。)
また、充分量を摂取しても、ビタミンCは体内のあらゆる部分に必要なため、ほぼ臓器に使われてしまうそうで、摂取では皮膚にはなかなか到達できないといわれています。
よって、皮膚には直接の塗布をしたくなります。
塗布では、
- メラニン色素の合成を抑制し、できてしまったメラニン色素を薄くする作用
- 様々な色素沈着を目立たなくし、更に色素沈着しにくくする作用
- 皮膚のターンオーバーを正常化し、くすみのない明るい肌色へと導く作用
- 抗酸化作用
- 皮膚の真皮細胞や、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン等の真皮マトリックスに欠かせない成分を生成している線維芽細胞の働きをスムーズにする作用
が認められています。
塗布するに於いて、ピュアビタミンC、各誘導体などがあります。
誘導体には水溶性、油溶性、もしくは両親媒性があります。
ビタミンCを塗布するに当たって、
- 自身はビタミンCに何を求めるのか、何を目的に使うのか
- ハイリターンに付き物のリスクに関して、自身が刺激や乾燥のないもの
- 即効性を求めたいのか、ジワジワゆっくり効果で充分なのか
を考え、それに準じて何を選べばよいのか。
どれに手応えがあるかないか、効くか効かないかは、各々「使ってみた体感」しかありませんが、化粧品原料としてのビタミンCについて書いてみました。
足りない部分もたくさんありますが、選択の際に少しでも参考になりましたら嬉しいです。
尚、化粧品原料は日々、進化しています。
下記は2020年前半までのもので、まだまだ進化するかも知れません。
ピュアビタミンC
化粧品成分表示名称、医薬部外品表示名称は「アスコルビン酸」、
通称名は「ビタミンC」「L-アスコルビン酸」。
そのままだと肌表面の水分や皮脂に邪魔されて透過しないアスコルビン酸をDDS(ドラッグデリバリーシステム)などの様々な方法でダイレクトに届けられるように改良された純粋なアスコルビン酸を「そのままビタミンC」という意味で「ピュアビタミンC」と呼びます。
水溶性有機化合物です。
ピュアビタミンCはアスコルビン酸そのもの。
特徴は、即効性があり、すぐに効果を発揮します(一般的には)。
分子量は176.12です。
分子量から見ると皮膚に浸透するはずだけど、水溶性だから角質層のバリアを突破することはできず、皮膚に浸透してくれません。
しかもアスコルビン酸は⾮常に不安定で、すぐに酸化されやすい成分。
実際、⽔に触れた途端にものすごい勢いで酸化されて活性を失うことが知られています。
なので、例えば、
油溶性のビタミンEを配合して
「サプリメントの摂取と同じ理屈で(ビタミンCとビタミンEを一緒に配合することでビタミンCの効能が持続的になる)製品情報自体の酸化も防止」
プラス
「油の多い角質層部分ではビタミンEが効果を発揮しつつ、水溶性のビタミンCを水分の多い角質層より下に届ける(それぞれに得意とする場所が異なる2種類のビタミンを組み合わせるダブルアプローチ式)」
作戦とか、
外部からの酸素供給をできるだけ遮断して、
「ビタミンCの間で酸化と還元を繰り返し補完し合うであろう」
作戦とか、
「濃度を高くしたら活性なものも残るだろう」
作戦とか、
安定した状態で肌にしっかり浸透するよう、様々な技術を駆使した「ピュアビタミンCコスメ」が開発されています。
私も様々なビタミンCコスメを使って来ましたが、中ではこのピュアビタミンCコスメの効果、手応えが最もドラスティックだと感じます。
ただしハイリターンには、たいていリスクも付きまとうので、刺激や乾燥などの点で自身に合うか合わないかを見極めるしかありません。
一昔前のピュアビタミンCコスメは、特にニキビや開いた毛穴、余計な皮脂抑制に有効なものが多く、乾燥肌には厳しいものが多々あり、私もピュアビタミンCはオイリー肌に向いているという概念を持っていましたが、最近のピュアビタミンC商品は乾燥対策も成された上にアンチエイジングに対しての総合的パワーを持つものが多くあります。
- ※製品自体の酸化防止剤として
アスコルビン酸が成分表の最後の方に記載されている場合は、製品自体の酸化防止剤として微量配合されています。
これは、アスコルビン酸を内服した体内と同じく、天然に存在する抗酸化物質として製品内で働きます。
メカニズムは、製品中の成分の代わりにアスコルビン酸が酸化されることにより、製品中の成分そのものの酸化を防止するという仕組み。
心配になるのは酸化したアスコルビン酸自体ですが、共鳴によって安定化されて他の分子を次々とラジカルにしていくような連鎖反応は防いでくれます。※
ビタミンC誘導体について
不安定で壊れやすいアスコルビル酸に様々な成分を結合して安定化させた成分がビタミンC誘導体です。
ビタミンCの前駆体という意味で「プロビタミンC」とも呼ばれますが、近年はビタミンC誘導体そのままでもビタミンC誘導体としての作用、効果を発揮するように開発されたものもあり、厳密にはプロビタミンCと呼べないものもあります。
ビタミンC誘導体は、皮膚表面では酸化せずに皮膚内へ浸透してから自身が持つ分解酵素によってアスコルビン酸に加水分解されて初めてビタミンCとしての作用を持ちます。
ダイレクトなピュアビタミンCに比べると、だいたいは穏やかで、肌への刺激感がない(少ない)とされています。
ビタミンCコスメの原料としては扱いやすいので、多分に最も様々な製品に配合されています。
難点その1
効果を発揮するまでには数時間かかるそうです。
難点その2
一応、表皮内での酵素活性によって正常にアスコルビン酸に分解、代謝されていることにはなっていますが、それぞれが持つ分解酵素やその力が人による点です。
誰かには効いても誰かには効かない、あるいは使う誘導体の型によって効いたり効かなかったりがあります。
分解酵素が合わなかったら、一体何を塗っているのか意味なし状態に。
難点その3
誘導体にしたことで分子量がデカくなり、最終的には配合量が低くなるという難題を抱えています。
水溶性ビタミンC誘導体
水溶性ビタミンC誘導体はクリームなどよりも水に配合した方が安定性が高まるので、化粧水や美容液で取り入れるのがよいとされています。
リン酸型
ナトリウム塩とマグネシウム塩の2種類があります。
化粧品成分表示名称「アスコルビルリン酸Na」
医薬部外品表示名称「リン酸L-アスコルビルナトリウム」
略して「APS」。
1990年代に医薬部外品美白有効成分として承認。
化粧品成分表示名称「アスコルビルリン酸Ma」
医薬部外品表示名称「リン酸L-アスコルビルマグネシウム」
略して「APM」。
1980年代に医薬部外品美白有効成分として承認。
皮膚内へ浸透してから自身が持つ分解酵素フォスファターゼによってアスコルビン酸に加水分解されて初めてアスコルビン酸になります。
一般的にフォスターゼは角質層にたくさん存在しているそうなので、誘導体としてはハズレない場合が多そうです。
「アスコルビルリン酸Na」「アスコルビルリン酸Mg」は、普通に配合すると弱アルカリ性になって刺激になるそうですが、調整で弱酸性になってしまうと分解されてしまうので、そのバランスが難しい成分だそうです。
ただ、通常は中性のpH約7くらいに保たれていると思われ、安定型ビタミンCとも呼ばれます。
分子量は、
ピュアビタミンC(アスコルビン酸)176.12に対し、
アスコルビルリン酸Naは、358.08
アスコルビルリン酸Mgは、289.54
そして通常のビタミンC含有率は
ピュアビタミンC(アスコルビン酸)100に対し、
アスコルビルリン酸Naは、49%
アスコルビルリン酸Mgは、60%
通常の配合率は
アスコルビルリン酸Naは、10%
アスコルビルリン酸Mgは、5%
(医薬部外品の場合、配合率は3%です。)
よって、上記配合率のビタミンCの含有率は
アスコルビルリン酸Naは、4.9%
アスコルビルリン酸Mgは、3%
となります。
医薬部外品であった場合のビタミンC含有率は
アスコルビルリン酸Naは、1.47%
アスコルビルリン酸Mgは、1.8%
です。
市場に出す化粧品として成り立たせるためには、長期間の保存が必須となりますが、経時での濁りや変臭などを避けるため、
「アスコルビルリン酸Na」には、
「多価アルコール(BGなど)や2価金属塩(塩化Mg、硫酸Mg、塩化亜鉛、塩化Al、炭酸Mg) 」などが配合されたものが多く、
「アスコルビルリン酸Ma」には
「アミノ酸(グルタミン酸、グリシン、リシンHCl)やアルカノールアミン(TEA(トリエタノールアミン))、有機キレート剤(フィチン酸もしくはそれらの塩)」
が配合されたものが多くあります。
私自身はリン酸型ビタミンC誘導体コスメに関しては、たくさんあるだけにかなりの種類を使って来たと思いますが、よく分からないというのが本音です。
ボヤっとしていて輪郭がはっきりしない感じ。
効いているような気もするし、意味がない気もします。
ただ、確かに穏やかなようで、個人的にこれまで使った中では刺激を感じた製品はなく、乾きなどのトラブルに遭うこともありません。
グルコシド型
アスコルビン酸の2位水酸基(酸化還元反応に関与する部分)にグルコース(ブドウ糖)1分子を結合させた水溶性ビタミンC誘導体です。
化粧品成分表示名称は「アスコルビルグルコシド」、
医薬部外品表示名称は「L-アスコルビン酸2-グルコシド」。
略して「AA2G」。
1994年に医薬部外品美白有効成分として承認。
非常に安定性が高く、熱や光にも強い誘導体です。
分子量は338.26。
アスコルビルグルコシドは、皮膚内の分解酵素「α-グルコシダーゼやエステラーゼ」により、アスコルビン酸とグルコースに加水分解されてアスコルビン酸になります。
皮膚内でのアスコルビン酸への分解は非常にゆっくりで長時間継続することから、「持続型ビタミンC誘導体」「24時間型ビタミンC誘導体」とも呼ばれています。
よって、刺激がなく、非常に「穏やかなビタミンC」ともいわれます。
ただし、角質層ではグルコシド結合を分解するα-グルコシダーゼやエステラーゼ酵素の活性が低いために非常に分解されにくく、結果的に表皮に於けるアスコルビン酸量は低いようです。
「役立たず」という不名誉なニックネームあり。
しかし、このグルコシド結合を分解するα-グルコシダーゼやエステラーゼ酵素は、角質より下の皮膚内部にはたくさん存在するそうです。
これがよい事ではなく逆に問題の懸念があるのは、角質層で分解されなかったアスコルビルグルコシドが内部に入り込むと基底層までジワジワと浸透していき、そこで不必要にもダイレクト過ぎる還元作用を発揮してしまう、かも知れない、という考えもあるようです。
ただ、分子量からすると内部に入るかも知れないけど、そのままでは水溶性だから突破できるかどうか分からないし、だいたいは配合量、アスコルビン酸含有量もチビチビだし、そのような危惧はないような気もします。
グルコシド型に関しては、私も確かに手応えとしては弱く穏やかだとは感じてはいるものの、ゆっくり長期で使用しているとリン酸型を使用するよりはなんとなくな効果を感じます。
それは軽いクスミ抜けやハリアップなど。
個人的に角質層にα-グルコシダーゼやエステラーゼなどの分解酵素を一般より多く持っているのかも知れません(不明です)。
つまり、一般的に役立たずといわれていても、人それぞれによるということです。
アスコルビルエチル
化学構造的にアスコルビン酸(ビタミンC)の3位水酸基にエトキシ基を導入して生成される水溶性ビタミンC誘導体です。
エトキシ基って何?と調べたら、
「有機化学において -OCH2CH3 の構造式で表される1価の置換基のこと。アルコキシ基の一種」
と。
ごめんなさい、もともと化学の授業はサボタージュ組だったのでよく分からず、説明できません。
化粧品成分表示名称及び医薬部外品表示名称は「3-O-エチルアスコルビン酸」
通称名は「ビタミンCエチル」など。
医薬部外品美白有効成分として承認。
リン酸型やグルコシド型は皮膚内での酵素により分解、代謝を通じてアスコルビン酸そのものの効果を発揮するため、効果を発揮するまでに時間がかかりますが、アスコルビルエチルは分解酵素反応の必要なく、そのままの形でアスコルビン酸の効果を発揮するため、即効性があります。
また、持続性もあります。
分子量は204.18。
アスコルビルエチルの効果、作用は、「アスコルビン酸の効果、作用」ではなく、「アスコルビルエチルそのものの効果、作用」となるようです。
即効性、持続性、安定性から見ると、優秀な誘導体だと思われます。
私自身はまだエチルアスコルビル単体のビタミンCコスメを使ったことがなく、これに関してのコメントができません。
期待できるイメージが強いので、今後、使ってみたいと思います。
油溶性ビタミンC含有率
油溶性ビタミンC含有率は、水溶性であるアスコルビン酸を人の角質層に元々ある皮脂成分と結合させることによって、肌に浸透しやすくしたものです。
高濃度でも刺激がなく、浸透力、持続性、保湿性、吸収性に優れています。
即効性はなく、ゆっくり浸透しながら、表皮ではメラニンの生成を抑制し、真皮ではコラーゲンの生成、新陳代謝を促進します。
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル
化粧品成分表示名称及び医薬部外品表示名称は「テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル」。
化粧品によっては「イソパルミチン酸アスコルビル」
「ビタミンCテトライソパルミテート」と表示されています。
通称名は「VC-IP」。
開発は1996年。
アスコルビン酸とパーム油などのイソパルミチン酸のテトラエステル化合物です。
皮脂脂肪酸の一つであるイソパルミチン酸とアスコルビン酸を結合させたもので、皮膚内のエステラーゼという酵素によって、アスコルビン酸と脂肪酸に分解されます。
また、活性本体であるアスコルビン酸の4つの水酸基全てがイソパルミチン酸とエステル結合によって塞がれているので、優れた安定性を示します。
100%濃度の製品も流通しています。
油溶性のビタミンC誘導体は、皮膚内での分解、代謝によるアスコルビン酸の作用ではなく化学的に全ての水酸基を置換している点で、「アスコルビン酸そのものの作用」なのか「油溶性ビタミンC誘導体(例えばテトラヘキシルデカン酸アスコルビル)としての作用」なのかははっきりしていないようです。
100%ものや高濃度で配合されている場合は、油溶性らしくベタつきがあり、重たい質ですが、乾燥やつっぱり感がない点が長所です。
問題は、分子量が1129.76。
大きくて皮膚に馴染んでも浸透はしないと思います。
テトラヘキシルデカン酸アスコルビルのビタミンC含有率は、15.6%
100%化粧品としてのビタミンC含有率も15.6%。
私はこのテトラヘキシルデカン酸アスコルビル100%コスメはギチョギチョ重たくはありましたが、水溶性に比べると美白にも美肌にもよく効いたような記憶があります。
ただ、まだ植物オイル(精油ブレンドオイルも含めて)を使っていなかったり、あるいは使いこなしていなかった頃なので、パルミチン酸という飽和脂肪酸によるシットリが乾燥によかっただけかも知れず。
後、不飽和脂肪酸の軽い馴染みに慣れると、飽和脂肪酸の重たさが心地悪くなったのと、更にブレンドオイルとの併用は苦痛になったので、ブレンドオイルやクリームに数滴垂らしたりするようになると、少量過ぎたのか効果実感もなくなり、かといって100%は一度止めると厚みや重たさが辛くなり、やがて使わなくなりました。
パルミチン酸アスコルビル
脂肪酸の一つであるパルミチン酸とアスコルビン酸を結合させたもので、皮膚内の酵素によって、ビタミンCとパルミチン酸に分解されます。
わりと古くから使われているビタミンC誘導体であり、アメリカではエステルCと呼ばれています。
水に非常にわずかに溶け、エタノールには溶けやすいです。
分子量414.54。
透過する大きさだけど、固体原料で使用感が大変に重たく酸化しやすいため、酸化したものが皮膚障害を起こす可能性が示唆されており、今は原料としてこれそのもの単体ではあまり使われていないようです。
両親媒性ビタミンC誘導体
パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na
皮膚浸透性に劣る水溶性のリン酸型ビタミンC誘導体に高級脂肪酸であるパルミチン酸を付加して角質層への浸透性を向上させた、親水性と親油性を兼ね備えた両親媒性ビタミンC誘導体です。
高濃度で刺激も少ないという利点があります。
化粧品成分表示名称は「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」、
通称名は「APPS」「アプレシエ」。
分子量は、560.00。
ビタミンC含有率は、31%
配合率が5%の場合のビタミンC含有率は1.5%。
誘導体の中では分子量は大きめですが、浸透には定評があります。
使ってみて、浸透?浸透感?実際はどちらかは分からないけど、効果実感は高い方です。
ただ、APPSは安定性が従来のビタミンC誘導体に比べると若干低いという欠点があります。
APPSは液体中(弱酸性領域)では分解されて不安定になる上にとても酸化しやすい成分です。
濃度が高くなるほど早く酸化します。
まさかですが、市販の溶かした化粧水は場合によっては製造してから消費者のもとに届くまでに、すでに酸化が始まっているなんてことがあるかもで、酸化が分からないように着色している場合もあるようです。
なので、凍結乾燥してパウダー化した粉末を購入して、使う時にだけ粉末を溶かす方が酸化の不安なく、新鮮に使えます。
とっても手間ですが、酸化しにくい粉末APPSを購入しましょう。
粉末状で購入しても、湿気に弱く、水分を含むと変質しやすいので、冷暗所で気温の低い所で保管しましょう。
いちいち混ぜるのが面倒でも、例えばセパレートタイプ(化粧水とAPPSが別々に梱包されていて使う時に混ぜるタイプ)や、どうしても溶かしたものなら短期間で使い切ってしまう小瓶タイプを選びましょう。
ただ、試験データではないものの、自分で精製水や化粧水に混ぜてから1ヶ月以内はAPPSの効果が期待できるという資料もありました。
ただし、徐々に分解されるので、早めに使い切る方が無難なようです。
化粧品原料としては高価な上に保管に若干経費がかかり、しっかり量を配合した化粧品無理なようです。
その他、両親媒性ビタミンC誘導体には、この「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」より安定性や浸透性、原料としての使いやすさに優れた
「カプリリル2-グリセリルアスコルビン(オクタノールと結合)」、
「イソステアリルアスコルビルリン酸2Na(イソステアリルリン酸エステルと結合、必要分解酵素はフォスファターゼ)」
などが開発されています。
また使ってみたら書き留めたいと思います。
医薬部外品と化粧品
医薬部外品は厚生労働省が許可したものです。
「効能に有効な成分が一定の濃度で配合されているもの」を指します。
違う言い方をすれば、医薬部外品と化粧品の違いは、「承認された有効成分が規定量配合されているかどうか」という点です。
何より、化粧品は「あなたの肌は3週間後に...(どうなるのよ?)」とか、「サイトカインに働きかけます(だからどう効くの?)」みたいに結論のない濁したキャッチコピーしかできませんが、医薬部外品は「美白されます!」みたいに効果効能をはっきりと謳うことができます。
例えば、ビタミンCコスメの医薬部外品は、「配合濃度の基準は3%」と定められていますが、化粧品は、効果効能が緩和されているので、配合基準も医薬部外品より自由があり、もしかしたらそれより少ない場合もありつつ、高濃度の配合もできます。
名前からすると医薬部外品の方が効果が高そうに感じますが、いわばノーリスクであろう安全な製品という捉え方もできます。
無難に効くノーリスク(退屈)を取るか、ハイリターン(面白味)(もしくはノーリターン(残念)の可能性あり)を取るかは、その時々の肌状態、環境、目的によります。
個人的に
私が初めて使ったビタミンCは、ヘレナ・ルビンスタインの「フォースC」でした。
何故はっきりと覚えているかというと、阪神大震災の後でオーバーワーク甚だしかった1995年にオレンジ色の小瓶が並んだポスターにワクワクして、睡眠不足による肌クスミの払拭に期待して使ったからです。
ピュアビタミンCの白い粉末と化粧水のようなものを混ぜ合わせるセパレートタイプにワクワクしたものです。
まだ化粧品に於けるビタミンC原料の種類すら知らない時代、期待通りクスミは払拭されましたが、けっこう過激でもあり、使うことで乾きを感じたくせに無くなると補充していました。
(フォースCは少しずつ進化しながら、発売から20年後の2015年には時間差で働き続ける3種のビタミンC(アスコルビン酸酸、リン酸アスコルビルMg、アスコルビルグルコシド)を配合した「フォースC.3」としてパワーアップしています。
今となっては、他の成分などによる独自のデリバリー技術があろうと、ビタミンCコスメとしては「どれか効くだろう、どれも使っとけ」にも見える内容には魅力を感じず、まだ試してはいません。)
以来、びっくりするくらい様々なビタミンCコスメが販売されて来ました。
私は初めて使ったものが過激なピュアビタミンCだったので、誘導体のみの優しいビタミンCコスメはどれも中途半端で長続きしませんでした。
後にやはりセパレートタイプのAPPSに出会って、しばらくリピートして使いました(ブランドは記憶なし)。
効果実感はありましたが、その後、まさかそんなにも分子量がデカいとは思わずに自分の使い勝手から油性の何かに「VC-IP」を混ぜたりして使うようになりました。
最もリピートしたのはトゥベールのものでした。
それもピンと来なくなって使わなくなってからは、すでにビタミンCコスメに大きな期待を失くして離れていましたが、長く使っていただけに、いつだかになんとなくドラッグストアにある1000円くらいの「メラらノCC」を使い出します。
これが、ダラダラ使い続けていたら気がついたには、意外の意外にも効果アリなのです。
医薬部外品だからビタミンC濃度は3%。
最近はまた攻撃的になり、ピュアビタミンC25%の「オバジCセラム25ネオ」も使っています。