セサミオイルでスキンケア&スカルプケア/毛は皮膚です

ーーーセサミオイルも使おうーーー

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太白ゴマ油=焙煎せずに生のまま圧搾して得るゴマ油

肌に使うにはマカダミアナッツオイルやホホバオイル、あるいはスウィートアーモンドオイルなどに圧されて地味感を持つセサミオイルですが、抱えた優秀な養分は魅力的だし、何よりサラリとした質感は馴染みよく後肌も軽いので、使わない手はないのです。

セサミオイル
日本語ではゴマ油ですが、ゴマ油というと通常は中華料理や一部の日本料理の風味を思い出させるだけに「ゴマの種子を深煎りして抽出した香ばしい茶褐色の琥珀色の焙煎ゴマ油」、もしくは「ゴマの種子を低温で焙煎した阿波池田琥珀色の低温焙煎ゴマ油」を思い浮かべると思いますが、肌に使うのはゴマが香らない、透明に近い黄金色の「焙煎せずに生のまま搾って得る太白ゴマ油」です。
インドでは万能薬としてアーユルヴェーダ式マッサージにも使われています。

もちろん、太白ゴマ油も加熱にも負けない組成なので、香ばしさはないけど加熱料理にも使えます。

茶目っ気から焙煎ゴマ油で石鹸をを試作したことがあるのですが、びっくりするくらいに香りが保持され、友人に「お腹が空く石鹸」と面白がられました。
石鹸としては成り立っていましたが、洗面室や浴室に焙煎ゴマ油の香りが立つのはあまり趣味がよいとは思えないので作らなくなりました。
太白ゴマ油の方は石鹸に使用するとクセがなく、サクサクと心地好い泡が立つ軽快な出来上がりになります(配合量に左右されます)。

キュアリングによって発現するセサモール

冒頭の写真は化粧品グレードのプリマヴェーラのセサミオイル(セサモール含有)ですが、食品グレードでもキュアリングをすることで有効に使えます。

キュアリングとは、ゴマ油を一度、100℃程まで温めることを指します。
温かいうちに使用すると、よりサラリとした質感で浸透もよくなりますが、冷めても大丈夫なので作り置き(キュアリング置きというべきか)もできます。

ゴマ油の限界温度は150℃なので、それ以上にならないように気をつけましょう。
限界温度を越えるとせっかくの良き組成が壊れたり有害物質が発生する可能性があるそうです。

焙煎されていない太白ごま油は、キュアリングによってセサモールという成分を創り出します
(セサモールは、焙煎によっても生まれる成分なので、焙煎ゴマ油にはキュアリングせずとも含有されています。)

ゴマグリナン

セサミオイルの脂肪酸は大雑把にいえば半々でオレイン酸とリノール酸、そして養分として、ビタミンA、B、E、ミネラル(カルシウム、マグネシウムなど)が豊富で、更に「セサミン」に代表されるゴマリグナンを含有します。

ヨウ素価(油脂を構成する脂肪酸の不飽和度)は103-118で半乾性にも関わらず、酸化変敗しにくいのは、ゴマリグナンである「セサミン」「セサミノール」「セサモール」による強力な抗酸化作用によるものです。

ゴマリグナンは内服(食事)すると、腸内細菌によって代謝されることで女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをする上に肌の保湿や老廃物の排出を促す働きをします

外用では、皮膚への使用で充分な保護保湿力、頭皮への使用で白髪や抜け毛の予防になるという嬉しい研究結果の報告もあります。

スキンケアに

サックリいうと、セサミオイルは血行を改善し、皮膚のターンオーバーを正常にします。

セサミオイルの分子は大変に小さく、毛細血管への吸収力が高いので、肌に塗ってから15分ほどの経過で、骨の中まで浸透するといわれています。

そして経皮吸収によって体内に入ると溜まった老廃物や有害金属などの毒素を吸着して排除してくれるというデトックス作用があります

以下はセサミオイルに限らず、他の植物オイルも同様です。
長年植物オイルを使い続けた私個人の自己流の使い方なので、参考程度に捉えていただけますように。
他にも様々に応用できると思います。

ポイントメイクアップリムーバーに

クレンジングオイルを使っている方には信じられないかも知れませんが、純粋な植物オイルで強いアイメイクもスルスルと落ちます

ウォータープルーフマスカラは頑固ではありますが、専用のポイントメイクアップリムーバーを使用していた頃の記憶では大差ない程度だと思います。
また、大抵はぬるま湯オフ処方だから洗顔すれば落ちます。

目を瞑ってセサミオイルを馴染ませてクリクリしてから、サッパリ系化粧水(エタノールフリー推奨、最近よく販売されている大容量化粧水でも充分)をタプタプに浸したコットンで優しく拭き取ります。

まだアイラインが付いていたらコットンを折って尖らせた部分、もしくは綿棒で目の渕をスーッとなぞります。

口紅も同様に。

セサミオイルに限りませんが、純粋な植物オイルでポイントメイクを落とすことで、最も乾燥したくない目元の乾燥がすっかり防げて、結果的にシワに悩みません
後から塗るどのようなアイケア用クリームより有効です。
まずは自身の湿潤を奪わないことがスキンケアの本当の基本です。

クレンジングに

普通のクレンジング剤のように顔全体につけてから、軽くマッサージする要領で軽く馴染ませて、少し置きます。
ゴシゴシグリグリしなくても汚れは自然に浮きます。
そして鼻セレブのようなヤワヤワのティッシュを顔に乗せて、まずは粗方を取ってから、ポイントメイクアップリムーバーの時と同じく、化粧水タプタプのコットンでサクサクと拭き取ります。

合成界面活性剤を使わないクレンジングは肌をフカフカにします

セサミオイルはサラリと軽いので、植物オイルクレンジングに慣れていない人にも入りやすいと思います。

※他、ポイントメイクアップリムーバー及びクレンジング剤に向いていると感じるのはスウィートアーモンドオイルやオリーブオイル辺り。
ポイントメイクアップリムーバーもしくはクレンジング剤として、自身が心地好い感触をいくつかをブレンドで作るのもいいです。

マッサージに

顔、首、手、脚など、前身のマッサージに使えます。
難しいことは考えず、リンパの排泄口を意識して流していくだけでも大丈夫。

セサミオイルは熱性の高いオイルなので、そもそもに身体を温める効果があり、マッサージに使用することで更に血液循環が良くなるため、内臓からも温められてデトックス効果が働き、免疫力の向上にまで繋がります

セサミオイルは華やぎの淡い地味なイメージだけど、意外なる実力派。

常温でも充分だけど、時間的気持ち的に余裕があれば、湯煎して人肌程度に温めると馴染み感も満足感も上がります。

この時、オイルを多めに塗ってしばらく放置するとオイルパックにもなります。
乾季に凄く乾燥した場合の回復力は強力です。

スカルプケア=健やかな髪を生むケア

シャンプー前の頭皮に馴染ませて、指の腹で心地好い加減で揉み込むようにマッサージします。
マッサージは毛穴の汚れを浮き立たせると共に血行促進とゴマグリナンの作用で白髪や抜け毛を防止してくれます。
その後、数分の間、放置するとオイルが更によく馴染みます。
シャンプーでヘアのオイルのベタつきを落とします。

オイルで頭皮をマッサージするとベタ付きに抵抗を持つかも知れませんが、アブラっぽさはシャンプーで簡単に落ちるし、髪が重たいと感じる場合だけ二度洗いでサッパリします。

きちんと皮脂分泌のバランスを整えてくれるので、頭皮、そして髪にハリと潤いがもたらされます
(個人差あります。)

髪を健康に美しく保つには、まずは頭皮の健康状態を保つことが必要です。

これまで頭皮マッサージに使いやすい植物オイルをいろいろ試してみましたが、個人的に効能、感触(サッパリ具合、伸び加減)に於いてセサミオイルに行き着きました

私はセサミオイルをメインにアルガンオイル3割ほどと、これも頭皮及び髪に非常に有効なキャスターオイル(ひまし油)を少量(蜂蜜並みに粘度が高いから)を加えています

顔の皮は頭皮と繋がっているため、スカルプマッサージ、つまりヘッドマッサージは顔のタルミ、ユルミにも有効です。
顔が冴えない、たるんでいる、って時には顔そのものより先に頭をグニグニした方が見た目も気持ちもスッキリするのは本当です。

※私は本当はほとんどに於いてオイルでのマッサージを忘れてシャンプーしてしまうので、なんとなく、時折、気まぐれに、オイルを使わず素手でグニグニしていますが、素手でもスッキリします。



毛は皮膚

皮膚については「スキンケア」というスレッドにまとめましたので、ここでは特に頭皮、ひいては髪(毛)に有効なセサミオイルついでに「毛」について書き留めます。

ご存知のように「毛(髪含む)」や「爪」、そして「皮膚の角質層」を形成する成分はタンパク質の一種であるケラチンですが(髪の90%はケラチン)、乱暴にいうと毛も爪も皮膚なのです。

「爪」が皮膚が変化したものであることは見た目から理解しやすいのですが、「毛」については理解しにくいと思われます。
皮膚の一部が「毛」に変化していく過程を書きます。
ソースは「Newton」の毛についての記事からです。
※鬱陶しい内容なので飛ばしても大丈夫。

皮膚の一部が毛に変化する過程

体には様々な毛が生えていますが、全ての毛は同じ原理によって、皮膚の一部が変化してできます。

それは皮膚の表面にある表皮細胞で、これらの細胞は互いに密着し合って表皮層という細胞のシートを形づくります。

表皮層の下には真皮層があり、真皮層はゼリーに細胞を散りばめたような構造をしています。
ゼリーに相当する部分の主成分はコラーゲンと呼ばれるタンパク質です。

ヒトの胎児では、受精後80日くらいまで表皮層は滑らかで、毛の映える場所と生えない場所との区別がつきませんが、すでに細胞の内部では変化が起きているそうです。

腫瘍壊死因子受容体の一種である「エクトダーマルディスプラシアレセプター」という遺伝子は、はじめは表皮全体で働き、毛が作られる時期には一部の表皮細胞だけで働き続けるようになります。

「エクトダーマルディスプラシアレセプター」が働いている細胞では、やがて「ソニックヘッジホック」と呼ばれる遺伝子など、いくつかの遺伝子が活性化し、この時まで均一に分布していた真皮細胞がそのすぐ下に集まってきます。

集まってきた真皮細胞は「ソニックヘッジホック」の刺激によって性質が変化して、それまで眠っていた「骨形成因子-4」という遺伝子が働きはじめます。
多分にこの「骨形成因子-4」が他の遺伝子と一緒になって、すぐ上の「エクトダーマルディスプラシアレセプター」が働いている表皮細胞に対して「毛に変化せよ」というシグナルを発しているのではないかと考えられているようです。

「毛に変化せよ」というシグナルを受けた表皮細胞は、活発に細胞増殖をはじめ、表皮層の下にある真皮層に向かって進入。
この時、真皮に進入する表皮細胞は盛んに増殖すると共に、元の表皮細胞とは性質を変化させます。
元の状態とは異なる毛を作る「毛型の表皮細胞」に変化するのです。

毛型の表皮細胞が増殖をはじめると、真皮細胞の塊は表皮細胞を先導するかのように真皮の奥深くに進入します。
この時、真皮細胞は何種類もの「マトリックスメタロプロテアーゼ」と呼ばれる分解酵素を盛んに分泌して、真皮の主成分であるコラーゲンなどを分解し、表皮細胞の進入を助けます。

そしてある程度の深さまで達すると、真皮細胞の塊は毛型の表皮細胞に取り囲まれ、やがて毛の成長や細胞の分化に深く関わる「毛乳頭」と呼ばれる組織になります。

毛乳頭は細胞の毛型表皮細胞を毛母細胞に変化させます。
この毛母細胞が毛の元になる細胞です。
毛母細胞は毛だけでなく、毛の周囲を囲む組織にもなります。
これは、「内毛根鞘」という、毛の外側に「ろうと状」の筒のような硬い構造を作り、毛の形を決める鋳型のような役目をします。

毛母細胞は大変活発に細胞増殖をしているので、次々と増える細胞に下から押し上げられるようにして内毛根鞘の内側を上昇します。
その途中で細胞の角化が起きて、毛に変化します。
角化とは、「ヘアーケラチン」というタンパク質が束ねられて丈夫な繊維を形成する過程を示します。

最後には核や細胞質の成分がほとんど失われて細胞が死んでしまうため、ヘアーケラチンと脂質、水などの限られた成分だけが残って毛になります。
皮膚に埋まった毛を作り出す組織を「毛包」と呼びます。

これが「毛」になる過程です。
神秘です。

健やかな髪に

要するに頭皮環境が悪ければ健やかな髪は生まれません。
更にいうなら表皮を作り出す組織そのものが健康でなければ健やかな髪は生まれません。

特殊な事情なく髪の痛みに悩む方は、髪そのもののケアも必要ですが、次に生えてくる髪の土台である頭皮、そして健やかな皮膚を生み出す基礎ケアと食事を見直してみてください。

髪が誕生して成長するサイクルは大きく分けて「休止期・成長期・退行期」であり、これを繰り返すサイクルを「毛周期」といいますが、残念ながら正常でも約6年4ヵ月程で一回転という長期です。
要するに体内環境及び皮膚状態を改善しても約10万本の全髪が健やかになるには6年以上かかるということ。

けど、全髪が一度に同じ毛周期を持つわけではなく、1日あたり500~600本程度脱毛しながら新たな髪が生まれて来るので、徐々に徐々に全髪が健やかになります

毛周期は驚くことに加齢とは関係なく繰り返し続くそうなので(新生は鈍るとしても)、気を長く持って諦めずに育てましょう。
26才でバサバサの髪が32才でサラサラに、44才で傷んでいた髪が50才でツヤツヤになる、などと考えれば6年がかりもそう長くはなく、むしろ加齢が楽しみになりますよね(なわけない?(^o^;))

毛の色の違い

毛の色は、毛乳頭と毛母細胞の間にある色素細胞が、生産したメラニンを小さな袋に詰めて細胞外に放出し、周囲の毛母細胞がこれを細胞内に取り込むのですが、毛母細胞が角化してもメラニンは分解されずに残るため、毛に色が付きます。

毛の色の違いは、ユーメラニン(黒い色素細胞)とフェオメラニン(赤~黄褐色)の比率や毛の中の色素分布状態によって、多様種できます

メラニンの合成能力は、年齢や毛周期の進行などが要因になって変化します。
白髪もこの限りです。

髪を育てる食事

白髪防止法があれば書きたいのですが、多分に加齢が原因の白髪と15年以上もお付き合いしている私にはそのような切り札はなく。

エラソーなことを書きながらの暴露ですが、実のところ、若い頃から髪の痛みに特に悩まされたことがないため(どれだけ伸ばしても尚)逼迫感を持てず、植物オイルでのマッサージに特に勤しんではいないので、セサミオイル及びアルガンオイルやキャスターオイルによる白髪の抑制作用についての体感はないままです。
けど、理屈的には効果があるので、30代くらいからのオイルによるスカルプマッサージをお勧めしたいです。

また、どこにでも書いていそうな目新しくもない内容ですが、知る限りではタンパク質、ミネラル、ビタミンC及びパンテトン酸が不足すると白髪になりやすいそうなので、意識的に摂取しましょうとしか言えません。

食べてすぐに効果があるわけではないけれど、美髪にも通じます。
※ちなみに私は決まりのある窮屈な食事をする方がストレスになってしまうので意識はしていません。
ストレスになることのない程度にしましょう。

・タンパク質=18種類のアミノ酸から作られているケラチンの中でも特に重要なのは「L-リジン」と「チロシン」です。
「L-リジン」は肉類、大豆、卵に多く含まれ、「オルニチン」と一緒に摂取することで、髪の育成を促します。
「チロシン」は、メラニン色素の原料となる一部で、チーズや大豆に多く含まれます。

・ミネラル=重要は「アルギン酸」と「亜鉛」。
「アルギン酸」は、海藻のヌメヌメ成分です。
「亜鉛」は、髪の成長に必要なタンパク質の吸収を高める働きがあり、魚介類やナッツに多く含まれます。

・ビタミン=重要は「ビタミンC」と「パントテン酸」。
「ビタミンC」は、肌や髪の毛を作るために必要なコラーゲンの生成に欠かせない成分で、柑橘類、イチゴ、じゃがいもに多く含まれます。
「パントテン酸」は身体をつくる様々な細胞やホルモンの合成を助けます。
レバーや納豆に含まます。

あまり苛めないこと

他、経験上、多分に脱色を含めるカラーリングやパーマを頻繁に施さない方が加齢が原因の白髪の出始めが遅いように思います(ただの私見です。)

私の50才の知り合いで、生まれてこの方、カラーリングもパーマも経験のない稀有な方がいらっしゃるのですが、未だに素地で黒髪です。
逆にたま~に出ている白髪が目立ったりしますが、カラーリングの必要がないくらいに白髪は絶対的に少ないです。

比べて私は、特に20代の時は美容師さんに叱られるくらい、クリクリパーマを当てては3日でイヤになってストレートパーマを当て、また1週間後にはユルユルパーマをあてる始末。
加えてカラーもコロコロ変えていたからか、毛根で色素細胞がメラニンの合成を放棄したくなるほどに疲れたのか、メラニンを使い果たしたのか、すでに45才くらいから白髪が気になる始末だったので、特にそう思うのです。

まだ若い方にはあらゆるお洒落も勧めたいけど、髪を苛めるようなことは極力避けることが、ゆくゆく先の白髪の発生を遅らせる道かもなのです。

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