トレチノインジェル0.1%/レチノイン酸の襲撃

ーーーレチノイン酸をナメすぎていましたーーー

イエーイ
久しぶりにスキンケアで酷い目に遭いまして。
レチノイン酸の用法、用量を深く考えずにテキトーにガッツリ使ったため、熱い、痛い、痒い、赤い、超乾く、何もかもが沁みる、の6重苦。

ただし、ピンポイント使用でニキビ、シミ、イボに至る、「凸」系の疾患にはかなり有効です。

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レチノイン酸は第一次医薬品

レチノイン酸は、日本ではその生理活性作用の強さから、医師の元で処方してもらう第一次医薬品です。
(対して、作用の弱いレチノールや、レチノールにパルミチン酸を結合させたパルミチン酸レチノール(レチノール誘導体)は、化粧品や医薬部外品への配合が認められています。)

この手は個人輸入する手がありますが、ヨイコはレクチャーを受けて処方してもらいましょう。
経験上、勝手に使っても、たいていの場合「別になんてことないやん、何が問題なん?」ってものが多いけど、それらはラッキーだったと思うべきかも。

今回の体験は、それよりまず、私の用法用量がテキトー過ぎて酷い目に遭ったことは否めません。
そしてチュートハンパでタオルを投げました。
よってこれは治療記録ではなく、これからレチノイン酸治療をしようとしている方への参考にはなりません。
チュートハンパタオル投げ体験記となります。

※化粧品の場合、海外ブランドものの正規品は日本処方に作り替えています。
個人輸入(並行輸入)すると、同じブランド同じ名前でも日本では認可されていない成分が入っていたりします。
たまに「プロアクティブ+」のようにまさかの主役の有効成分(過酸化ベンゾイル)を替えている珍しいパターンもありますが(ベピオゲル)、通常は比較的、防腐剤や安定化剤を替えているものが多いと思います。※

今回、私が酷い目に遭ったのは化粧品ではなく医薬品で、「主役有効薬剤そのものが認可されていない」、って話しになります。

軽々しい購入経緯

並行輸入品について、化粧品の場合、未認可成分問題だけではなく、並行輸入ものは製造日や保存方法などに少し不信感があるので(ちゃんとした業者さんもあります)、ほぼ利用しない、
そんな私がなんで医薬品を個人輸入したかって
どーでもいいことなのですが

石鹸を作っている最中に友人が来て、スマホを見ながら「医薬品を個人輸入するけど、ついでに何か要る?」
と。
「何があるん?」
「トレチノインとかハイドロキノンとか。」
なるほど、本当はレチノイン酸とハイドロキノンを併用すると、アッとビックリのシミ無し色白になるはずよね、うまいコンビ。

でも、シミは気になっても美白剤にはまるで興味がない私。
とりあえずふだん使うレチノールではなく、ホンモノのレチノイン酸の方に興味が湧いたので、
「トレチノインを2つ。」
で、「0.025%、0.05%、0.1%、どれにする?」
と聞かれたので、そりゃー、濃度高い方が効くっしょー、で「0.1%」

すると、数字ははっきりとは覚えていないけど
「1本2000円」だとしたら、なんと「2本3000円」と、だんだん1本価格が下がるらしく、本数が多ければ多いほどに面白いくらいに安くなる仕組みだとな。
上限はまだまだあったけど、結局、ノリで「じゃあ、7本!」。
多分5000円弱(だいたいであり、定かではない)くらいで7本買いました。

石鹸作っていたからね、あれもこれも計算しながら「レチノイン酸が使えない可能性」なんて少しも考えなかったしね、単純回路で「2本ずつ3回買うより、まとめて7本の方が安いとは、なんちゅう仕組み?」と笑ってノッちゃったよね。

という経緯です。

そう。
もちろん、来たのは「Menarini トレチノインジェル0.1% 20グラム」が7本。
あーあ!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ

A-Ret Gel トレチノインジェル0.1% (Menarini)

「トレチノイン」は、生理活性の主役物質です。
よって、「トレチノイン=レチノイン酸」で支障はありません。
レチノイン酸の全トランス型で、「All-Trans-Retinoic Acid」の頭文字から「ATRA(アトラ)」とも呼ばれます。

(Menariniを調べてみたら、1886年創業のイタリアトスカーナに本社を置く医薬メーカー(グループ)でした。)

トレチノインもレチノールも非常にデリケートで安定性が悪く、空気や光によって容易に失活してしまいます。
なので一般、酸素や光に極力触れないよう、容器をエアレスにするなどの工夫がされています。
あるいは医薬品の場合は「固体脂質ナノ粒子、脂質と界面活性剤によって粒子の内側にトレチノインを内包し、界面活性剤で安定化させて分散したもの」、もしくは「リポソーム化によって安定化させる」といった研究をされているようです。

手にした「トレチノインジェル」は、Dr.ハウシュカみたいな品質の安定を保ちやすいアルミ製のチューブです。

テクスチャーは緩めのジェル。
色は、白濁なく、透明に近い淡い黄色です。

匂いは薬品っぼいです。
薬草っぽいじゃなく、化学薬品っぽいね。

成分表は驚きの簡素さ。
医薬品だからね~
でも、レチノイン酸とパラベン以外はジェルベースて。
そのジェルベースの構成、何?

  • レチノイン酸 0,1%
  • ジェルベース
  • メチルパラベン 0,2%
  • プロピルパラベン 0,05%

レチノイン酸の生理活性はレチノールの50〜100倍

以前、「資生堂エリクシールのエンリッチドリンクルクリームS」の記事にしっかり書いたのにね、知っているくせにね
(「レチノール」で検索いただいたら出てきます。)

・トレチノインはビタミンAの誘導体の一種
(ビタミンAは広義にはレチノイド(ビタミンA類縁物)レチノール、レチナール、レチノイン酸を含む)

・レチノイン類は細胞を増殖させる作用がある

・レチノイン酸は全ての二重結合がトランス型をとっている(別名オールトランスレチノイン酸 )

・生理活性の強さから、レチノイン酸は化粧品や医薬部外品への配合は未認可

・日本国外では、レチノイン酸は尋常性痤瘡や光老化に承認された医薬品

レチノイン酸の分子量は300.43(他データによるとレチノールの分子量は286.5)、素早く深く浸透する

・レチノールは体内でトレチノインへと変換されて効果を発揮する
(つまり、トレチノインは体内での生理活性の主役であるため、レチノールよりも効果が大きくなる)

・レチノールはレチノイン酸の前段階の物質で、肌への作用は穏やか
対してレチノイン酸は、レチノールの生理活性力の50〜100倍の強さを持つ
(レチノールの生理活性の強さはトレチノインの50分の1だが、レチノールの肌への効果は、一般的にトレチノインの約10分の1という報告もあり)

要するに、例えばレチノイン酸がレチノールの60倍の強さだとして。
1.6倍の表皮肥厚を起こすのに必要なトレチノインの濃度は0.025%。
1.5倍の表皮肥厚を起こすのに必要なレチノールの濃度は1.6%
です。

およそ活性感なんて感覚は全く感じない程度の医薬部外品のレチノール濃度は想像では0.1%(ただの想像。)。
レチノイン酸がレチノールの50〜100倍もの威力があるなんて、濃度を選ぶ時はまるで忘れていたもんね。

だいたい酒風呂に日本酒一升入れるような私は、加減というものを知るために「薄く→濃く」へというステップアップなんてことはしない。
「濃い方が近道じゃね?」と、まずは「濃く」。
そして「キツ過ぎて後悔」した場合のみ、「過ぎたるは及ばざるが如し」を学んで「濃く→薄く」とダウンしていって、加減を探すのです。
今回はそんな悪いクセが災いをもたらしたわけで。

「0.25%?ヘッしょーもな。どうせ買うなら0.1%よね~♪」
ナメまくった結果、つくづく「化粧品と医薬品の違い」を感じました。
極論
・化粧品=すぐには作用しない、もといいつまで経っても作用を感じにくい、穏やか、リスク回避優先
・医薬品=ほとんどすぐに作用する、リターンに期待できる、攻撃的、リスク覚悟せよ

多岐に渡るレチノイン酸の効果

正直、私は別に完璧を目指してるわけではなく、厳密にはシミだのシワだのがあっても全く深く悩むことなく、ケアは10年以上、基本、
「養分満載自作石鹸、ハイドロソルやヘーラールーノ、自作ブレンドオイル、たまに美容液、なんらかのクリーム」
だけで充分にこと足りており、艶やかで丈夫で健やかを保てています。

なのに何故トレチノインを使ってみたのかな?って、はてな?
せいぜい
「もし、本当に全くシワやシミがなくなってツルンとしたらバーチャルみみちゃんみたいでカッコエエやん。」
という、あわよくばな興味だけです。
棺桶間近な年齢になって尚、アホなので。
けど、興味津々になるくらい、レチノイン酸の効果は非常に多岐に渡り、魅力的なのです。

先に60代の私が、「できれば」程度に期待した効果、シワ、シミへのメカニズムだけ抜き書きます。
(他は下の「他、一般的効果」へ。)

レチノイン酸のシミ取りメカニズム

メラニンを作るのは、表皮の層の一番下の基底層にあるメラノサイトという細胞です。

ーーーシミができる経過

紫外線により角化細胞(ケラチノサイト)に異常が起こる

色素細胞(メラノサイト)に「メラニンを作れ」という指令が出続ける

過剰にメラニンが作り出される

同時にホルモンも直接、色素細胞(メラノサイト)にメラニンを多く作らせる

通常のターンオーバーでは排出できない過剰メラニン色素

シミーーー

そしてレチノイン酸は、基底層で活発に増殖させた表皮の細胞を下からどんどん押し上げます
同時に基底層にあるメラニン色素も一緒に押し上がる、という仕組みです。

※この時に漂白作用を持つハイドロキノンを併用すると、メラノサイトに新しいメラニンを作らせません。※

レチノイン酸のシワ取りメカニズム 

レチノイン酸のもともとは、「ニキビ治療薬」で、シワ取り効果については、ついでに「シワも消えたじゃん」。
当たり前の副産物でした。
基底層で表皮の細胞を活発に増殖させて新生を促すと共に、表皮より奥深くの「真皮」のシワの原因にも働きかけ、線維芽細胞を刺激してコラーゲンの産生を促進し、「真皮の構造を再構築」するからです。

更にいうと、線維芽細胞の増殖をアップレギュレートし、皮膚マトリックスの劣化をブロックするそうです(多分にレチノールと同じく、ヒアルロン酸産生力もあるかも。)

レチノイン酸は90年代半ばには、FDAから「シワ改善薬」として認可を受けました。
その後、「トレチノイン0.02%クリーム」に於いては、同じくFDAから「光老化治療薬」として認可されました。

レチノイン酸もレチノール同様、「有効成分を与えて肌を蘇生する」のではなく、「作用を肌自身に行わさせる」です(多分)。

レチノイン酸の治療期間

レチノイン酸の治療期間は、
最初の2~6週間は肌が活性する機関、次の2~6週間は炎症を冷ます期間とのこと。

そして、場合によっては1~2ヶ月のインターバル後、2回目の治療を行うと尚良いとのこと。

鋼鉄ババ肌じゃなかったわ

一応、滅多にすることのないパッチテストはしました。
アレルギーについての問題はなし。

よって、私は、いつものように
「洗顔→ハイドロソル(ヘーラールーノ)→自作精油ブレンドオイル→ヘーラールーノ」
の後、最初からなんの躊躇もなく、全顔にたっぷり塗りました。
首の線も気持ち悪いと思っているので、首にもたっぷり

だって、140gもあるし。
(アホです。)

熱い、痒い、赤い

まず、すぐに熱い
しばらくするとピリピリする。
寝ていたら痒みも出てきました。
違和感を持って夜中に鏡を見たら、赤い。

ん~どうするべきか。
珍しく真面目にちょっとネットで調べてみました。
「使用開始後、治療部位の皮膚が赤くなる」

そうか、そうなのか。
じゃあ、フツーの作用なのね。
と、症状を侮りました。
 

目の充血

で、翌朝。
目が充血しています。
普段も寝不足の寝起きは充血したりするけど、その充血とは違う、違和感ある充血。
普段は目薬を挿せばスッと白くなるので、挿してみましたが、白目のどんより感が消えません。
気持ち悪い。

目の周りにたっぷり塗っているからか、翌々日には充血が定着。
気持ち悪すぎる。

精油の浸透が尋常じゃない

翌日から翌々日は、スキンケアに関しては、洗顔、ハイドロソルまでは痛くも痒くもない。

ところがブレンドオイルが久しぶりにカッとします
「表皮が剥がれていってるから精油がダイレクトに入るのね。」
くらいに思ったし、数分後にはカッも鎮静したから気にしませんでした。

調子に乗って、朝もレチノイン酸をたっぷり塗りました。
乾くと感じたから、オールインワンのジェルと共にヒルマイルドクリームをしっかり重ねました。

3日目夜、洗顔、ハイドロソル後のブレンドオイルは、初めてヴィアロームのフリクション107を塗った時のように、タバスコを塗り付けたみたいな燃え方をしました。
ブレンドオイルはいつも5種類くらい並べているけど、たまたま最近、ローズ主体のブレンドオイルを30%濃度にして使っていたので、
「バッキバキに入る♪」と進んで使っていました。

50年ぶりくらいに口角が切れた

顔全体的に日中も熱い、痒い、痛い。

でも、ネットで調べた次の段階は
「垢のように皮膚がポロポロ剥ける」
まではまだです。
だから、「まだ序の口か。」
と深くは考えませんでした。

けど、口角が切れました
多分、子供だった頃以来の50年ぶりくらいですよ、口角が切れるなんて。
唇の代謝は早いからすぐに治ると知ってはいたし、口を開けなかったら確かに治まるのだけど、話したり食べたりする時にピキッて。
いちいちピキッて( ;∀;)

Dr.ハウシュカのリップケアスティックを唇と共にはみ出させながら、1日に何度もベタ塗りしました。
確実に効くオーガニックリップクリームが手元にあってよかったです。

ブレンドオイルを10%濃度のカモミールローマンとラベンダーとマージョラムに変えた(類似ブレンドは「カーム#309」希釈)

そして5日目も相変わらずブレンドオイルが痛い。
5分もすると治まるのですが、フリクション107初体験の10倍くらいキタ感覚。
燃え過ぎ。相当の刺激。

そうか!と思い付いてブレンドオイルは消炎や鎮静を意識して「カモミールローマン、真正ラベンダー、マージョラム」だけを使って10%濃度の鎮静オイルを作りました
まさかの火傷治療的な。

※「みみちゃん石けん」で扱っている中では、荒れや痛みの救世主「カーム#309」を3倍に希釈した感じに似ています。※

少しカッとしますが、カモミールローマンの優しさに包まれ、ここからはブレンドオイルによる燃え燃えはほぼ治まりました。

保湿が追い付かない

ここらで明らかなる「レチノイド反応」と呼ばれるレチノイン酸の副作用が出てきたことをようやく認めてみました(遅い)。

優しい鎮静オイルはシュンと入ってしまうし、表面はすぐに乾きます。
乾燥が酷い。

常に顔色が赤くなってしまい、本当にまるで火傷みたいです。
火傷みたいな痛みはないのですが、痒みはあるし、皮膚が突っ張ってとにかく心地悪い

しかしながら肌表面がカサカサと落ちる落屑はまだです。

救世主は石鹸「火麻」とpH値の高いハイドロソル、ヘーラールーノ

この時、石鹸は「火麻(リウォーディング)みみちゃん石けん」を選びました。
乾いて荒れた肌を優しく包み込むヘンプシードオイルの贅沢な石鹸は、こんな時でもストレスフリーな洗浄を実現してくれます。

この頃、「混ざりもの(化学的に)」がある化粧水の全てが沁みるので、pH値の高いハイドロソルのブッカケが気持ちよかったです。

自作の鎮静オイルの後のヘーラールーノが有り難いこと。
この段階ではもしかしたらヘーラールーノが抱えるエタノールが沁みるかも?と思いましたが、大高酵素は素晴らしき熟成力で円やかこの上ないことを実感しました。

一番辛い時期ったって

怖くなったので、ウソかマコトか分からないのと面倒がりで滅多に見ないネットをまた覗いてみました。

「徐々に赤みが増してきますが、しみは薄くなってきます。始めの1~2週間は一番つらい時期ですが、その後お肌が薬に慣れてきて赤みや沁みる感じもなくなっていきます。」

はぁ。
一番辛い時期なのか。
乗り越えればいいのか。
とは思ったものの、突っ張った感覚がどんどん酷くなります。

私は目元のシワに関しては目尻はほとんど気にならないけど、疲れている時に笑うと、目の下の涙袋の部分に発現するショワっとした細かなシワがイヤなので、この目の下と、頬骨のシミに集中的に塗り込んだのですが、これが大失敗であることに後で気付きます

たたでさえ他の部分より表皮の薄い目の下だから、かなりピキピキして突っ張っります

あれ?元よりシワシワになってんしゃん。
「シワ取りクリームでシワ増えた」というギャグしか思い付かない有り様

なんといえばいいのか
突っ張った赤い皮膚のシワシワババァ。
赤いヨーダ?

皮膚が薄いのにガッツリ塗り込むという愚行を犯した目の下は、特に乾きを感じるので、日中、許される限り何度も、「ゼラニウムのハイドロソル」をビッチャビチャに浸したコットンを乗せました
すぐにグングン浸透します。
どれだけカラカラやねん?くらいにコットンのハイドロソルはすぐにも軽くなります。

止めてからの鎮静期が長かった

ああ、こりゃダメだ、どこにも行けない。
で、トレチノインは1週間ほどでようやく止める決意をしました。

鎮静期
これがなかなかに長く感じました。

クレンジングはフェンネルスウィートやラベンダーなどを淡くブレンドしたオリーブオイル

洗顔は石鹸「火麻(リウォーディング)」

pH値高めハイドロソルブッカケ

濃度低い消炎ブレンドオイル(カーム的な)

ヘーラールーノ
を3回繰り返してから、
pH値高めハイドロソルをたっぷり含めたコットンマスク

ルルルンシートマスク

何かオールインワンジェル

マルティナクリーム

を1日3回、繰り返しました。

※プラス、唇付近への「Dr.ハウシュカリップケアスティックベタ塗り」と、「ハイドロソルビッチャビチャコットン目の下乗せ」は習慣でした。※

※目の充血は止めた翌朝から消えました。※

感じたのは、「やるな~マルティナのラノリンクリーム」。
極度の乾燥肌には神様です。

私は「垢のように皮膚がポロポロ剥ける」まで我慢せすにチュートで止めたので、剥離は穏やかで、元に戻りにくいのかも知れないと思いながら、元よりシワになった目の下を恨めしく眺めながら4日が経った頃、少しマシになりました。

にしても、62才という年齢からして、再生が遅いのもあると思われる分、長く感じるのです。

止めて2日目にはブレンドオイルを「ユーフォリア#326」に変えました
少し沁みますが、香りが温かく心地よし。
回復の兆しあり。

そして止めて4日目からは回復巻き巻きへと、ブレンドオイルの精油濃度は30%に上げて、まだまだ普段よりカッカする感触に、ここは「キク~♪」と楽しんでいました

止めてから1週間くらいになると、ざまぁみろ、とほくそ笑んでしまうくらいに元に戻ります。
赤いヨーダ、完全脱出。
アホですね、いろいろ手をかけて「元に戻ってほくそ笑む」なんて。

昔もあったよね、実験で肌が荒れ荒れになった時、その存在すら信用していない神様に「鼻ペチャでもブスでも文句言わないから元に戻りますように。」って願ったことが。
多分、顔には全く満足していなくても、まずは健康な肌であることが肝なのかも。
当たり前のように持つ健康な肌は実は当たり前ではない宝物なのかも。

そしてフと気付いたのは、今回、表皮の代謝を促したことは違いなく、見えない程度に剥離されたわりには、表皮が未熟な期間がありませんでした。
すかさず丈夫な表皮が生まれています

そして、
「明らかに元よりハリがある」「明らかに元よりスムース(毛穴見えず)」
チュートハンパでも表皮細胞が少しは早巻き増殖したかも。

で、まだ少しはレチノイン酸が残留していそうなこの頃合いに、ついでなら「元よりマシ」と思いたくて、「30%濃度のローズ、ジャスミン、ゼラニウム、真正ラベンダー、マージョラム」なんていう超リペアオイルを作って使ったら、「元よりだいぶん肌にハリが」出ています
ざまぁ(^。^)

必ず用法用量は守りましょう

例えばシミ消しの場合、本来は「綿棒でシミの部分にだけ塗布」が正しい使い方だと知り、全額と首に思いっきり塗った上に目の下と頬骨に塗り重ねた自分のバカさ加減に吹き出してしまいました。

いわば、「疾患部位にだけ塗布するお薬」と捉えるものなのかも。

とにかく、冒頭にも書きましたが、レチノイン酸(トレチノイン)を使用される方はくれぐれも医師のレクチャーを受けて処方してもらい、診断に通いましょう。

表皮の代謝を促して肌を新生するなら、AHA治療よりレチノイン酸治療に軍配かな

スキンケアの正解は人それぞれですが、私が得た教訓は「イランことせんとこ(「余計なことはしないでおこう」の関西弁)」です。
そして、いくら角質代謝が遅れたBBAでも、むやみやたらと剥がし過ぎない、適度な、もしくはかなりのんびりな代謝でいいから、「表皮は育てるが無難」です。

でも、チュートハンパ使用ではありましたが、もし、表皮の代謝を促進して肌を新生したい場合、
「ただ余分な角質を剥がすだけで未熟な表皮が晒される期間がある医療AHA(アルファヒドロキシ酸)治療」よりは、「基底層で表皮細胞を増殖するから剥がれてすぐにしっかりした表皮が表れるレチノイン酸治療」の方が、肌にハリと潤いが期待できる、を体感として感じました

ニキビ、シミ、イボへのピンポイント使用実験

止めてから3週間くらい経った頃にはすっかり絶好調になったので、ピンポイント使用を試し出しました。

・ニキビ(もとい吹き出物)
プツンとできたニキビ(BBAだから吹き出物)に綿棒で乗せたら、翌朝にはすっかり消えていました。
すごい。

できかけニキビなら翌日
できちゃったニキビなら数日
根付いたニキビなら2週間くらい

で治りそうです。
(注・シロウト判断)

・古いシミ
35年くらい前から君臨している濃い目のシミへのピンポイント使用は、数日ではビクともしません
ただ、使い始めて1週間くらいの現在、色が薄くなり、嬉しくないことにシミが少し盛り上がってきています。
もしかしたら、下から下から押し上がった新生皮膚のせいで盛り上がり中につき、これが更に盛り上がったらポロリと取れる?
実験中。

追記
・一番濃くてデカい直径5ミリくらいのシミは、8日目くらいにシミ部分だけハラリと一皮剥けました。
剥けた後はかなり淡くなっています。
引き続き、第二段剥離を狙って続行中。
・薄めのシミは皮は剥けた感覚はないけど、かなり色が淡くなっています。
こちらも続行中。

・小さな肌色イボ

私はイボができるタイプなのでしょうか、20年くらい前に小さなものがコメカミに2つできました。
小さいというのは、直径0,5ミリ以下です。
液体窒素で除去してもらいましたが、見えにくい程度であれ、跡が残ったので懲り懲りです。

で、何年か前にまた目視しにくい程度のイボが顔に2つ、首に1つできても無視していました。
ところが顔の1つが成長しやがるのですよ。
ババ臭い。

それでも液体窒素もレーザーもイヤだから無視していましたが、ハタと思い付いてトレチノインをピンポイントで塗ってみました。
2日目で硬くなって萎縮していました
以後、白く硬い小さな突起物になっています。
これを更新時で5日目ですが、もしかしたら数日で「無かったこと」になりそうです\(^^)/
現在、実験中。

追記
・10日目にはめっちゃ縮んでいます。
取れそう♪

  • 結論
  • ニキビ、イボ除去にかなりの即効力あり。
    シミ除去には多少、時間がかかりそうだけどかなり手応えあり。

    多少、時間がかかるといっても普通のホワイトニング化粧品よりは相当の即効力ありです。

    気になる部位へのピンポイント使用はアリかも
    全て表皮細胞が基底層で活発に増殖する機能の賜物です。

他、一般的効果

・毛穴
トレチノインは、角質のターンオーバーを促進して古い角質を剥がれやすくするため、毛穴を詰まりにくくする作用も持ちます。
よって、ダークスポット(毛穴の黒ずみ)に効果的です。

が、オイリー肌だから乾燥肌より丈夫なわけでは決してなく、特に脂漏性皮膚炎にも近い肌はデリケートです。
私がこれまで受けた相談による結果からすると、トレチノインはかなり刺激的なので、個人的な意見でしかありませんが、長い副作用期や長い回復期を思うと、急がば回れでコツコツと「質の良い油で汚れた脂を掻き出して綺麗にする」方が無難な気がします

・ニキビ跡(クレーター)
トレチノインのピーリング作用は、局所的なニキビ跡の色素沈着や赤みに対しても用いられるそうです。

また、軽度のクレーターは、トレチノインによるターンオーバー促進作用とコラーゲン増生作用によって、目立たなくなる可能性かあるとされています。
しかし、重度のクレーターとなると、原因自体がトレチノインにはそれを破壊する効力がない真皮の瘢痕組織にあるので無力です。

つまり、トレチノインは
凸なブツには効果あり
凹には効果なし

です。

傷という刺激や炎症がメラノサイトにエラーが出やすいのはユーメラニン、エラーが出にくいのはフェオメラニン(かも)

また国内不認可の件と繋がりますが、白色人種の肌は表皮が厚く、創傷が深くても痕がケロイド状(肥厚性瘢痕)に非常になりにくくて、傷痕は相当の度合いで見えにくくなるそうです。

対して黄色人種の肌の表皮は薄く、傷痕もケロイド状(肥厚性瘢痕)になる割合が少なくはないそうです。

ケロイド化に関しては原因未解明だそうですが、傷痕の残り方の差に関しては、知人の医師に伺ったところ、4層から成る厚さ0.1〜0.3ミリの表皮の一番下の基底層の「色素細胞(メラノサイト)は、日焼けだけでなく、傷などで受けた刺激や炎症が傷痕に関与しているのではないか」
プラス、
「もともとユーメラニン(褐色~黒色の真性メラニン)が少ない白色人種は傷痕の有色化も出ず、目立たなくなる可能性があるようです。

(メラニンとは、「ユーメラニンとフェオメラニンの混合体」。
ユーメラニンは紫外線を浴びると発生する活性酸素を消去しますが、フェオメラニンは紫外線を浴びると活性酸素を作ってしまいます。)

つまり紫外線の悪影響にはフェオメラニンの方が弱い。
けど、(傷痕そのものがメラニンの色に左右されることを前提として)、傷という刺激や炎症がメラノサイトにエラーが出やすいのはユーメラニン、エラーが出にくいのはフェオメラニンかと。
と、これは女医さんのお話から導きだした私の妄想かも知れないのであしからずです。

これらから、白色人種は私たち黄色人種より、ターンオーバーを過激に早めるレチノイン酸を多用して衝撃があっても炎症が少ない可能性を感じました。

要するに皮膚の構造や活性、仕組み自体が違うので、白色人種がフツーに使えるブツを黄色人種が同じように使えるわけではないのです。

付録・色白男性 二の腕のブツブツ実験中

これは私自身ではなく、色白男性が気にしていた「二の腕のブツブツ」消去実験です。

フェオメラニン多めな肌色ですが、トレチノイン塗布による反応が分かりやすいと思ったので、撮りはじめました。

「二の腕のブツブツ」にはちゃんと名前があって、「毛孔性苔癬」「毛孔性角化症」というそうで、今回、トレチノインについて調べていたら、それらの治療にも使用するとのことで、試してみました。

なんと、漫画みたいにレチノイド反応ままでした。
2日目から熱く真っ赤になり、4日目から痒みが出て、皮膚がパサパサと剥けてきます。
真っ赤な見た目ままの痛みはないそうです

痒くて掻いてしまうので、傷まで付いてしまいます。

右腕

右腕2日目=赤みがマダラに発現

右腕4日目=熱湯に浸けたみたいに

右腕6日目=一番上の角質がパサパサと剥離

右腕10日目=部分を残してだいたい治ってきました

あー、これ、顔だったら困るよー。
真っ赤だし、痛々しい。
きっと誰もがふだんのスッピンがベッピン並みに綺麗だと感じますよ。
ベースメイクで隠そうにも赤すぎるし、こんな状態にファンデーションなんて塗りたくないよね。
出掛けない、を前提に始めるしかないです。

左腕

同じように塗布しても、左右では赤み、剥け方などが起こる時間差など、違う反応をしました。

左腕3日目=ブツブツが右腕よりしぶといです

左腕5日目=痒さに負けて掻き跡が残りつつ、表皮が剥離してきます

左腕7日目=めっちゃ掻いた部位は白いカサブタみたいになりつつ、ブツブツかなり消えています

左腕9日目=傷は別として、ブツブツはもともとよりは滑らかに

しかし、剥けていく皮膚と共にブツブツも剥がれて無くなりました。
目的は達成
です。

しかも、赤みはあるけど、AHA治療とは違ってトットと未熟ではない綺麗な表皮が生まれてきました

2週間くらいで一旦、クールダウンさせるべく止めましたが、何故かトレチノインを塗った周囲に「なかったはずのブツブツ」が発生したため、現在、新たに出た部分に塗っています。

止めた部分も完全なクールダウンにはまだ時間がかかるようで、若干、赤いままです。

確かにブツブツは無くなったけど。
レチノイン酸治療には、様々な忍耐が必要なようです。

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