ーーー紫外線吸収剤フリー、石鹸オフ可能から選ぶ日焼け止め~~これからの日焼け止めについてーーー
この2年、お気に入りの日焼け止めはエトヴォスのミネラルUVセラムでした。
滑らかでとても使いやすく、私にはコレといった難点は見当たらないので、今でもお気に入りです。
でも、今夏にネーミングの「クール」って部分に惹かれてオンリーミネラルの「スキンケアUVクリーム クールコンフォート」を選んでみました。
クール♪
だってこの数年の真夏の暑さったら。
ついでに恒例の「鬱陶しい理屈」、耐水、撥油成分の懸念について書きました。
日焼け止めは穏やかに限ると思います。
目次 / contents
オンリーミネラル・スキンケアUVクリーム クールコンフォート
クールな錯覚
「クール」の正体は、メントール誘導体(メントキシプロバンジオール)の配合です。
実際、天然のメントールを含有した精油(ペパーミント~60%、和ハッカ(和種ハッカ、ニホンハッカ)~85%、スペアミント~2%)は、他の含有成分との相乗効果もあって、非常に爽やかな清涼感があります。
ところで、メントールそのものの効果は簡単にいうと「血行促進」なので、私は過去、頭が混乱したことがあります。
だって、血行が促進したら温まっちゃいそうでしょ、なのにスースー涼しい?
何それ?
この理屈は「冷たい錯覚」なのでした。
メントールに触れると、肌に存在する感覚神経の一種「TRPM8」という冷感センサーが作動して電気信号が流れ、神経を経て脳に伝達され、スースーした冷感を感じます。
この冷感は数10分くらい持続します。
つまり、「冷たい」という感覚を生じて錯覚するだけで、 「冷やすわけではない」のです。
それどころか、抹消血管を広げて血行を促進してくれます。
どの季節でも、血行を促進して悪いことは一つもない。
だからメントールの「涼しい錯覚」は暑い夏に打ってつけです。
余談ですが、
私はメントール含有の精油をフットオイルにも配合しますが、真夏に使うヘアーオイルには特に多めに配合します。
自分で使う場合は強いメントールによる刺激の可能性も自分の勝手なので、メントールを最も多く含有する和ハッカをたくさん使ったりもします。
頭皮がスースーすると、全身から真夏の暑さがスースー飛んでいきます。
これ、心地好くて止められない。
「錯覚」とは俄には信じ難いほとの冷え冷え感。
しかも、ついでに血行促進もするので髪にも養分が行き届き、一石二鳥。
汗をかくたびに冷んやりするのはどのメントールもが持つ個性
この日焼け止めは、「汗をかくたびひんやりクール感」と書いているのですが、特別な処方というわけではないと思います。
メントールを含むどの精油、もしくはメントールクリスタルは、塗った部分に汗をかくとヒエヒエ感は増します(上記のヘッドマッサージオイルで実証済みです)。
この日焼け止め、これからどんどん汗をかく気候に期待です。
穏やかなクール感
そんなメントールは、顔に使うと目までスースー沁みるし、配合が多いと肌が痛いです。
お顔が敏感な気がするのは、多分に「メントールが揮発したスースーが目に沁みるから」だと思われます、多分の多分。
この日焼け止めは誘導体とはいえ、顔にも使うものだけど?
刺激なく涼しさのみを感じるようにうまく調整されているのかな?
って...
私が鈍感なのでしょうね、肌に触れただけの感触には、メントールの存在は ほんの少ししか感じません。
あらま。
やはり、この冷んやり成分は化粧品や湿布などの材料「メントキシプロバンジオール」というメントール誘導体なので、精油に含有されるメントールのような突き抜けた透明感のある香りでも高効果でもないのかも知れません。
セイヨウハッカ葉エキスの配合もありますが、あくまでも「エキス」なので、か弱そうです。
誘導体であれ天然であれ、メントール刺激があっては元も子もないので、そう多量に配合するわけもなく、「ほんのり優しいクール」に留まるのは当然かと。
ーーーーー
※追記・以後、かなり暑い日にじんわり汗をかく機会がありました。
なんとなく顔にスースー感を感じ、「?」。
「あ、そうか。日焼け止めだ。」と判断。
よって、汗をかくと、ちゃんと、なんとなくな清涼感あります。
。
※更に追記・以後、7月に入って猛暑となり、炎天下を歩く機会が多発。塗ってから3時間後でも汗をかいたらスースー感残留。暑い、顔涼しい、暑い、みたいな感覚で良きです。※
ーーーーー
テクスチャー
ウォーターベースで、テクスチャーは滑らかでよく伸びます。
伸びるけど、先に使ったスキンケア品にもよりますが、軽くぺタッと貼り付いて留まる感あり。
「ベタッ」、とじゃなくて「ペタッ」だよ。
日焼け止めだからの安心感。
言い方を変えれば「被覆感」が比較的高めかも。
ツヤもあって、素肌感が淡くなります。
例えば、留まり感はエトヴォスミネラルUVセラムより少し高いです。
でも、2層式の日焼け止めのような油ヌルヌル感もなく、漆喰のような顔料モリモリ感もない点で、優しい乳液みたいな使いやすさは秀逸。
色は「クリア」ですが、紫外線吸収剤フリーなだけに見た目はもちろん紫外線散乱剤による白さはあります。
伸ばすとほぼクリアになります。
肌色補正効果はほんの少し。
少し透明感とツヤ感が出る感じです。
肌乾燥は感じない
メイク品としたらば、保湿感はある方だと思います。
夏は肌表面がベタベタしているから自覚はなくとも、発汗や流失し過ぎる脂で内部は乾いていたりするので(いわゆるインナードライスキン系)、保湿を兼ね備えた日焼け止めは非常にマストだと思います。
「流失し過ぎる脂」と書きましたが、肌の脂分が流失してベタつく肌表面から、脂をごっそり落とすと、肌の奥では「脂が足りない?大変だ!早く湧かさなきゃ。」みたいな伝達が起こり、更に肌表面がベタベタになります。
よく「毛穴汚れ落とし」なんていう広告を見ますが、毛穴を洗い切れば切るほどに更に脂は湧き、内部は枯れるし、表面は毛穴が開いたみたいになります。
つまり「水分油分のバランスを崩した結果のオイリー肌、あるいは脂漏肌」への道のりです。
保湿は乾燥防止だけでなく、肌のバランスを整えてくれるので、余計な脂が湧かないようにするためでもあります。
どちらかというと、オイリー肌だけでなく、乾燥気味であれ、真冬より真夏の方が肌のバランス自体は崩れやすく、理想的なケアが難しいような気がします。
なので、とくに日々、長時間使う人、塗り直しが激しい人は乾燥しない日焼け止めの選択も重要な課題だと思われます。
全体的に優秀だと思う
この日焼け止めは、
・紫外線吸収剤フリー
・ミネラルと天然由来成分が85%
・石鹸オフオッケー(ノーメイクの日にも便利)
・保湿あり
そして
・キシまず滑らか
なのに
・UV値、ここまで要る要らないは別として、「SPF50/PA++++」と頼もしく。
光沢剤とか分散剤等、へ?な成分もありますが、個人的に肌疲れは感じないし、全体的には悪くないと思います。
香り
着香は精油でほんのり。
(ケモタイプによるけどだいたいは)1,8-シネオールやカンファーのせいでキツめハーブ系香るローズマリー
と、
テルピネン系豊富なせいでスッキリフレッシュなグリーンハーブ香るティーツリー
と
メントール香るメントキシプロバンジオール
が混ざって、ほんのりと夏に心地好い爽やかな香りがします。
少なめ容量のメリットデメリット
炎天下で手や腕にも塗りたい場合、チューブである点と容量25gである点は持ち歩きにピッタリ。
逆をいうと、手や腕にも使うには少なめ過ぎて心許ない。
でも、真昼の炎天下で持ち歩くことを考えると、無くなったら買い直す感覚で居る方が常に新鮮で効果的かも。
持ち歩くほどに日焼け止めを利用する習慣がなかった私ですが、若い頃の無防備なサーフィンや潜り、ジェットスキーにより、近頃、目を凝らすと手の甲に小さなシミを発見。
へーっ、手にも出るんだぁ~
って感心している場合ではない。
ってことで、日射しの強い場所に長時間居る(だいたいは行楽系だよね)時だけ、増やさないよう、持ち歩いて塗るようにしています。
悪足掻き。
買わなかった同パウダー
同「ミネラルUVパウダーNクールコンフォート」も柔らかくサラサラしていたので一緒に購入するところでしたが、二の足を踏んで止めました。
理由は、数年前にアムリターラのオールライトサンスクリーンパウダーを購入したはいいけれど、朝はクーラーが効いた部屋で使っても、外出したら激暑くて、汗が滲んだ顔にパウダーをまた乗せるのは気持ち悪いわけで。
一応、柔らかいティッシュで汗を押さえてから乗せたところで、顔が湿っているからブラシの筋が入るので(付属のパフがショボくてブラシをセットしていた)、私は「最も必要な時に使えない、使いたくない。」みたいな感じだったのです。
(あくまでも「私は」です。)
仮に毛足がある程度しっかりしたパフでバフバフしたらなんとかなりそうだけど、プレスドパウダーだからバフバフのイメージが湧かず、試す前に諦めて、「去年の日焼け止めはおデコにパスワード書いて歩いてるようなもん」だからして、ほとんど減ってないのに夏の終わりにポイした悪夢(大袈裟)が蘇ったのです。
いや、これは「クール」たから大丈夫でしょ?
いやいや、ここ数年の激暑夏を思い出せば、どう想像しても私には使いこなせる気がしないわけで。
思うに、普通のパウダーでも構成的には問題ないかと。
ルースならパフパフしやすいからして。
また、エトヴォスのミネラルUVパウダーはルースタイプがあったので買ってみます。
まぁ、日焼け止めパウダーを買わなかった話はもういいわ。
って、一人ツッコミやん。
いや、ブログって一人ボケ一人ツッコミ以外のなんでもないからね、すみません(^_^;)
夏のベースは薄いに限る・オンリーミネラルプレミアムファンデーション
ちなみに私はコンシーラーから解放されたし、暑くなってからのベースメイクは、この日焼け止めとオンリーミネラルのプレミアムファンデーション(SPF40、PA++++)だけにしました。
肌負担なきプレミアムファンデーションはお気に入りでリピートしています。
クール感はないけど肌がスケスケして心地好く、汗で崩れても分かりにくく汚くならない点が気楽ゆえの選択です。
日射し強く、服の質感も夏ならではになるゆえ、不自然の無さも重要。
覚え書き・メントール誘導体「メントキシプロバンジオール」とは?メントール(薄荷脳)とは?
数年前から夏になる前にはメントール石鹸を仕込んでいますが、その際にメントールについて調べたら、フーンな部分もあったので、ここを覚え書き代わりにします。
何故なら、この日焼け止めに配合されているメントール誘導体「メントキシプロバンジオール」の材料に当たる「メントールクリスタル」にも繋がるからです。
「メントキシプロバンジオール」は、メントールにプロパンジオールを結合させて作った冷涼剤です。
プロパンジオールそのものは(化粧品成分としての記載は「1,3-プロパンジオール」)、「抗菌性能を併せ持った植物由来の保湿剤」です。
よって、防腐剤フリー処方の化粧品の使用が多く見られます。
グリセリン(原料はトウモロコシ、パーム油など)を発酵させる微生物発酵法で製造されているようです。
そして「メントキシプロバンジオール」のメントールそのものは「メントールクリスタル」に当たると思われます。
ちょっとややこしい話しですが、
「メントールクリスタル」は別名「薄荷脳」。
「和ハッカやペパーミントなどが含有する『ℓ-メントール』という成分だけを冷却晶折抽出、精製した針状もしくは柱状結晶」です。
(特にメントール含有量が多い和ハッカ自体は、苦みや樟脳の匂いが強いので、そのまま使われることはほぼ無く、ほとんどはメントールの原料になります。)
これもまたややこしい話しですが、日本薬局方のハッカ油は、薄荷脳の副生成物です。
原料は和ハッカで、乾かした草を水蒸気蒸留して得た取卸油を精製して得られるのは「無色針状(柱状)結晶のメントール」、その残りが「透明なハッカ油」です。
雑貨屋さんなどで販売している 濃度の保証がない「ハッカ油」は「メントールクリスタル(薄荷脳)」であって、精油とは異なるものでさす。
でも、同じくヒエヒエします。
オンリーミネラル スキンケアUVクリーム クールコンフォート 成分表
- 水
- トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル=トリエステル、油性基剤、溶剤
- 酸化亜鉛=白色顔料、紫外線防御剤
- DPG=多価アルコール、保湿、防腐補助剤
- トリエトキシカプリリルシラン=シロキサンエーテル、表面改良剤
- ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニ=ダイマー酸エステル、光沢剤
- グリセレス-26=ポリエチレングリコールエーテル、保湿、減粘剤
- メントキシプロパンジオール=メントール誘導体、香料
- ツボクサ葉/茎エキス=コラーゲン産生促進、による抗老化作用、色素沈着抑制作用
- パンテノール=ビタミンB5、細胞賦活、保湿
- セイヨウハッカ葉エキス=抗酸化作用、清涼感
- アルガニアスピノサ核油=アルガンオイル
- カニナバラ果実油=ヨーロッパのイバラオイル
- クリサンテルムインジクムエキス=血行促進、血管強化、活性酸素除去作用
- ティーツリー葉油=香料
- ローズマリー葉油=香料
- ペンチレングリコール 水酸化Al=多価アルコール、防腐補助剤
- トリオレイン酸ポリグリセリル-10=トリエステル、乳化剤
- (アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー=アクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムの共重合体、乳化、増粘、感触改良剤
- フェノキシエタノール=防腐剤
- セスキイソステアリン酸ソルビタン=非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)、乳化剤
- 含水シリカ=体質顔料(含水ケイ酸)、表面改良剤
- ラウリン酸ポリグリセリル−10=非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)、乳化、可溶化剤
- キサンタンガム=水溶性増粘剤
- カルボマー=水溶性高分子、増粘剤
- 合成フルオロフロゴパイト=体質顔料(合成鉱物)、増量希釈、光沢剤
- 水酸化K=カリウムの水酸化物、pH調整剤
- BG=多価アルコール、保湿、防腐補助、溶剤
- 酸化チタン=無機化合物、白色顔料、紫外線防御剤
これからの日焼け止め考、耐水性への懸念
SPF50って?PA値って?おさらい
今さらな説明ですが。
SPF(Sun Protection Factor)は、紫外線UVBによる皮膚の発赤や火照りの原因をカットする時間です。
よって、数値が大きいほどに防御効果が高いわけではなく、防御時間が長くなるだけです。
防御時間は、SPF1に対して約20分~25分。
よって、SPF50は「20分 × 50=1000分 (約16.6時間)」。
朝7時に塗ったら夜中の12時くらいまで日焼け止め効果が持続します。
いやー、代謝もするし、無意識に手で擦ったりするし、汗をかいて落ちるから、そんなには持たないとは思いますが、杓子定規には1000分です。
現在、日本で正規で発売されている日焼け止めの最大SPF値は50です。
「SPF50+」という表記のものは、SPF50以上のものです。
(PA+の+ではなく、SPF値のすぐ後ろの+です。)
この数値化は意外と近い過去、1988年からのものですが、1991年では最高値SPF20だったところ、1992年に日本化粧品工業連合会の専門委員会が作成したガイドラインにより、各メーカーは高いSPFを競ってしまったため、1998年には最大100を越えてしまいました。
笑えますね、2000分、33時間強です。
そんな笑える数値はいつからか見なくなったと思ってはいましたが、いつからか現実的にはSPFは50あれば充分とされ、結局、最大値50となったそうです。
とかなんとかですが、1000分もの持続の必要すらないですよね。
汗や代謝や擦れ云々を置いておいても、南国ですら1000分以内で陽は落ちます。
PA(Protection Grade of UVA)は、「しわ、たるみの原因になる紫外線A波(UVA)」を防ぐ効果力を表す指標です。
持続的即時黒化(日焼け後すぐに黒くなる現象)をもとに算出されていますが、数値化ができないため、効果は「+」で示されています。
PA値のレベルは、2013年から4段階になりました(ツッ込まれる前に書きます、無標を含めると5段階です)。
- 「PA+ 」=効果あり
- 「PA++」=かなり効果あり
- 「PA+++」=非常に効果あり
- 「PA++++」=極めて効果あり
各説明はロジカルではないので、ヌタッとフザけているみたいですが、本当にこれが日本での公式説明です。
私は日焼け止めズボラではありますが、どうせ使うなら、SPF値は25くらい(500分(8,3時間))でも問題はないような気がしますが、PA値の方は真夏は+++(非常に効果あり)はあって欲しいと感じます。
となると、SPF値もおのずとけっこう高めになるのが気に入りません。
日焼け止めを使い忘れた時の私は、雨でも邪魔で挿さない傘を晴れで挿すはずもなく、炎天下での防御は走るくらいですかね wイェイ
日焼け止めの新しい表示「UV耐水性」
2022年12月1日から運用開始の「UV耐水性」。
これは、「水浴後にどれくらい「SPF」を保持できているか」を表す表示だそうです。
つまり、紫外線(UVB)防止効果の耐水性です。
マークは星。
耐水性の保持能力によって、★(☆)、★★(☆☆)の2段階表記です。
UV耐水性は、日本化粧品工業連合会が定めます。
ーーー
実験は↓(面倒だから読み飛ばしても大丈夫な枠)。
1・ヒトの背中に試料を塗布、紫外線を照射して16〜24時間後に紅斑の有無を測定後、SPFを測定し、水浴前のSPFとする。
2・ヒトの背中に試料を塗布、水浴をしてから紫外線を照射して16〜24時間後に紅斑の有無を測定後、SPFを測定し、水浴後のSPFとする。
3・水浴前後(1と2)のSPFから得られる耐水性(SPFの保持率)の平均値の90%信頼限界の下限値が50%以上で耐水性効果ありと判定。
4・表記方法は水浴条件によって2段階。
・20分×2回(合計40分)の水浴をクリアした場合
の表示は「UV 耐水性★(または☆)」。
・20分×4回(合計80分)の水浴をクリアした場合の表示は「UV 耐水性★★(または☆☆)」。
ーーー
そして、水浴後のUVB防止効果の強さは、耐水性だけでなく、元のSPFの高さにも依存するので、「UV耐水性」の表示は必ずSPF表示と併せての記載になります。
運用開始から2年間の処置期間が経過する2024年11月30日以降に出荷される製品には、「UV耐水性★(☆)」または「UV耐水性★★(☆☆)」の表示がない状態でのウォータープルーフの表記は認められなくなるそうですが、ここでややこしいのはいわゆる「ウォータープルーフ化粧品の表示」。
「UV耐水性」は、「UVB防止効果の耐水性」を表すのみで、あくまでも「メイクアップの耐水性」ではありません。
例えば、「UVカットファンデーション」などは、「UVカット」と付いているからには「UV耐水性★」または「UV耐水性★★」の表示がない状態での単なるウォータープルーフの表記は認められなくなるそうです。
この説明なら、「UVカットはなくてウォータープルーフのみ」のファンデーションの場合は「耐水ファンデーション」とでも表記するのだろうか。
すみません、よくわかりません。
ただし、マスカラやアイブロウ、アイライナーなどの「汗、涙、水に強く落ちにくい化粧持ち性能」に関しては、これまで通りの「ウォータープルーフ」と表記されるらしいです。
耐水性、撥水性の問題点
この新しいUVの表示、
撥水性(水滴がはじかれる)ではなく耐水性(少量の水かはじかれる)という点が何気に気弱ですが。
私が気になるのは「強い耐水性」あるものは、だいたいが「しっかりシリコーン在りき」である点です。
これが脇役どころか主役級。
だいたいのモノの撥水は、シロキサン結合を主鎖にもつ高分子シリコーン、側鎖にメチル基をもつポリシロキサンによるコーティングです。
顔料の表面をコーティングしています。
よく見かける「ジメチコン、シクロメチコン、ジメチコンコポリオール、アモジメチコン」などは、特に肌に密着しやすく耐水性に優れますが、落とす際には通常の洗浄剤では弱く、けっこう強めのクレンジング(合成界面活性剤が大活躍)が必要になる点です。
たまに見かける「メチルハイドロゲンポリシロキサン」は高い撥水性を有し、「親水性の無機粉体表面をメチコンで被覆することによって撥水性を付与」とあり、結果的に「粉体同士の凝集(分散したり溶けたりした溶質が集まって固まる)を防ぎ、油性成分との親和性、化粧持ちの持続効果を高める」成分です。
表面をメチコンで被覆するのは、撥水性だけでなく、ついでに「表面に光触媒活性を持つ酸化チタンや酸化亜鉛などの活性を抑制できるので、「光触媒活性(光を吸収して化学反応を促進する物質の活性)を抑制」としても利用されているそうです。
撥油性を持たせる問題点
ところで、「耐水性」「撥水性」とはいうけど、肌からは油分である皮脂も分泌されるので、「落ちにくい日焼け止め」とするなら「撥油性」の指標も必要だと思うのです。
シリコーンには撥油性がほとんど無いので、フッ素化合物(表面エネルギーが低い)で顔料が表面処理をすると、長鎖のパーフルオロアルキル基が付着して、撥油性を持ちます。
ただし、撥油処理を持たせると顔料同士を油剤で混合できなくなるそうです。
また、これらは環境中でほぼ分解されず、蓄積しやすい「永遠の化学物質」なので、「UV撥油性」 はスルーなのかも。
顔料同士を混ぜ合わせる油剤に撥水性、撥油性を持たせて持続性が高まるよう、側鎖の炭化水素をフッ化炭素に一部置き換えたフッ素変性シリコーンなどを使用したりもあるそうです。
様々に進化はしていくけど
また、例えば顔料に凹凸性を持たせると、撥水性、撥油性を長持ちさせることができるので、顔料の表面組成だけでなく、物理形状からの方法も研究されていることには恐れ入ります。
日焼け止めなどは擦れに耐えさせるため、バインダーとして樹脂やポリマーを使用して皮膜を形成しますが、強力な皮膜を形成すると落としにくくなってしまうため、最適解についても様々に研究、進化していきます。
肌荒れの原因ベスト3に入るといわれている「日焼け止めの使い過ぎ、強い日焼け止めオフ剤」。
「UV耐水性」に関しては日常使用ではなく、特には海やプールで活用する方が無難な気がします。
書いていて思いました。
日焼けしてもババ、ほとんどの日焼け止めの構成もババ(ババって下品な関西弁ですが、単純に「ハズレと」か「ダメ」といった意味合いでTPOをわきまえた上で使います。ん?ここのTPOは何よ(^-^;)。
どうしろと?
な中で選択する日焼け止めなのです。