
---ケアセラAPの乳液2種類---
ケアセラAPの乳液。
しっかり潤い、キメ細かな肌が維持できる優秀品だと感じます。
セラミド自体の配合料は少ないと思うけど、構成全体のバランスがよく、スキンケアの基本「自らが持つ潤いをしっかり閉じ込めてくれる作用」も持つので、ここに取り上げます。
目次 / contents
前置き・意外にも優秀なトイレタリー商品たち
若い頃からハンドクリーム等を小まめに使う習慣がないのもあって、トイレタリー商品全般には特に興味がなかったのですが、16年ほども前の真冬に急遽父宅に泊まった際、手元に化粧品が何もない中で、たまたま「ザーネクリームE(エーザイ㈱)」があって、過去、皮膚科でもらう顔用のお薬の基剤にもなっていたことがあったので「むぅ。まぁいいか。」と、適当に顔に塗って寝たら、翌朝、プリプリの肌が出来上がったことに驚きました。
昔々から私のブログ等を読んでくださっている方々はご存知のように、もともとは「顔には顔用の化粧品クリーム」と決め込んでいたし、様々な訴求を抱えたクリームに踊らされて惹かれて高価格帯もいっぱい使ったし、まさかトイレタリークリームを顔に使うなんて想像もしたことがなかったけど、まじでビックリしました。
ザーネを使ってみて、
「すごい。クリームらしい仕事をしてくれるんじゃん、下手したら凝った化粧品より効果実感が高いじゃん。」
と感じたことがきっかけになり、以来、他にも顔に使って効果実感が高いものはないかと、様々なトイレタリー商品を試してみています。
私が現時点で知る中で、特に優れていると感じるトイレタリークリームは、先の
◾「ザーネクリームE(エーザイ㈱)=ビタミンE・重たいので夜にお勧め」
と、
◾「ヒルマイルドクリーム(健栄製薬)=ヘパリン類似物質0.3%・心地好い程度の重たさは滑らかで日中のメイク前にも使いやすい(長期継続不可)」
と、
◾「セラミエイド(コーセーコスメポート)=N-ステアロイルフィトスフィンゴシン(セラミド2)(上記2つよりオイル感あり、重ためだけど滑らか。特に冬はに朝も夜も万能)」
この3点は本当にバカにできないです。
顔にも、もちろん手にも(必要な方は身体中の何処にでも)。
私にはフェイスクリームのどれより、ポリマーでふやかさない少し重たいくらい包まれるような心地がよく、何よりどんな時にも安定した肌を保ってくれます。
毎日使うわけではないけど、「あ。乾き気味?」って時に急に使っても、必ずすぐに修正してくれます。
また、鋼鉄肌の私にはあまり分からないけど、肌への刺激というものがほぼない構成(絶対ではないが)であるのも重要な長所かと。
いわば、治安よきクリームたちでもあります。
今回、天然セラミド8種類配合がウリの「ケアセラAPシリーズ」の乳液2種類を使ってみましたが、これらも凄腕だと感じたので、取り上げてみました。
(「ケアセラAP高保湿バリアスキンバーム」についてはタイトル「いわゆるバームを比べてみた/IHADA ・乾燥さん・カルテ・ケアセラ」の「ケアセラAP高保湿バリアスキンバーム」をご覧ください。)
セラミドAPって?
ケアセラAPシリーズには、8種のセラミドが配合されています。
ヒト型セラミド(セラミド6II、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミドEOS)
セラミド類似体(カプロオイルスフィンゴシン、カプロオイルフィトスフィンゴシン、ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン)。
※ セラミドという細胞間脂質は、健全なバリア機能を持つ健康な肌にとって非常に大切な役割りを果たしています。
人体のセラミドは実際には300種類もあるそうで、構造と役割りも多岐に渡り、まだまだ研究を重ねているようです。
化粧品成分としては「天然セラミド」「ヒト型セラミド」「植物性セラミド」「疑似セラミド」の4種類があります。※
商品名にある「AP」。
セラミドAPは、ヒト型セラミドで、「旧セラミド6Ⅱ」に当たり、別名「ヒドロキシステアリルフィトスフィンゴシン」といいます。
酵母の一種ピキア属の代謝産物に当たるフィトスフィンゴシンに2-ヒドロキシステアリン酸が結合した構造です。
これは、皮膚のバリア機能を形成するセラミドの一種で、角質層の水分保持作用を持ちます。
また、含有するα-ヒドロキシ脂肪酸の作用が角質層のターンオーバーを促進するため、「ターンオーバーが鈍ったり乱れたりでゴワつく肌にも有効」だと思われます。
この乳液には、新型といわれている「ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン」というセラミドも配合されています。
この新しいセラミド成分は、他のセラミドと混ぜることで、肌のバリア機能が高まるそうです。
ここでは、この新しいセラミド
「ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン」と「セラミド6Ⅱ(セラミドAP)」をまとめて「セラミドプラス」と呼んで、商品訴求としています(詳しくは「ロート製薬の研究開発リリース」にあります。)
高保湿フェイス&ボディ乳液
これは本来はボディにも使えますが、自身はボディは一年中乾かず保湿ケアが全く不要なため、以下、顔だけの感想になります。
テクスチャー
この乳液は、どちらかというとコクがあり、粘度高めの濃密なテクスチャーです。
私自身は、たまに出くわす「水っぽくサラサラした乳液」の後肌の「奇妙に突っ張るような後肌の膜感」が苦手なため、乳液自体を滅多に使わなくなっていました。
ソルーナの乳液以外の乳液は、クリームより水分が多いだけに合成の界面活性剤の強さや多さが気になったりもします。
この乳液も使わないかも知れないと思いながら興味だけで購入しましたが、あれ?と思うくらいに良い意味での重たさと滑らかさが共存しているので、心地好く使えます。
プラスチックが溶けたみたいなツルツルした見た目です。
塗り立ては流石にテラテラします。
ベタつかないとは言えません。
なかなかの重たさです。
が、水っぽくて突っ張り感を持つ乳液よりシナヤカな点で私自身は好きです。
粘度はあっても軽く塗り広がって、しばらくすると浮いたままではなく、馴染みます。
そのくせ、「やっぱり乳液は水分だらけだよねー、クリームのように包まれてる感はないよねー。」ではなく、もちろんクリームよりは軽いものの、馴染んだ後には重みがあり、気持ち悪くはない密着感があります。
塗ってから経時にて、奇妙な膜ではなく、ナチュラルなバリアのようになる密着膜です。
もちろん、使用量によってはかなり重たくなります。
無用にベタベタと重たくなるまで塗っても、保湿保護力が特に高まるわけではないので、心地の好い「自分適量」を見つけたいところ。
自分的に物足りないくらいの少量でも試してみましたが、ちゃんとシットリして保護膜も感じます。
フタには乳液よりクリーム派の私でも、この乳液は安心して「ケア最後のフタ」にもなり得る、重ため密着テクスチャーです。
そして、数日使い続けていたら、素肌そのもの自体がプルンとツヤツヤになりました。
いえ、脂浮きではなくww「艶」です。
珍しくも使い続けられた理由は、何より乳液独特の奇妙な突っ張った膜張りがないからです。
多分、ボディに何か保湿乳液やクリームを塗る習慣がある方には、面積の広いボディにも塗り広げやすく、使いやすいと思います。
(ボディはサラサラ状態、あるいはできるだけ膜感無し状態が好きな方には辛いです。)
基剤
成分表を見たところ、主な基剤はワセリンや他の炭化水素の液状のオイルで、安心のシンプル正統派系の保護力抜群のワセリンがかなり多めです。
よって、乳液としては重ためのネッチリ感触になっているような気がします。
保護力は充分に期待できます。
セラミドの配合量は多くないと考えられますが、テクスチャーに通常のオイルが持たないセラミド独特の密着感があるので、その存在は感じられ、肌に馴染んだ後にも続く保湿感を持つ心地の好い膜は、ワセリンや液状のオイルとセラミドのバランスから成ると思います。
素晴らしいフォーミュラ。
セラミドの配合量について
◾原料価格問題
セラミドの配合は少ないと考える理由は、まず、原価が高額だからです。
こんなに親切な価格設定の商品に配合量は期待しません。
◾結晶性問題
また、セラミドの高配合には大きな障壁があるそうです。
セラミドは結晶性が高い成分なので、多く配合すると他のオイルに溶けずに塊で存在してしまうため、セラミドを肌に均一に塗ることができなくなります。
◾キシキシ感問題
過去、セラミド濃度が高いものを使った際、キシキシした記憶があったので、テクスチャー的にも問題が生じます。
よって、「セラミドのやたらな高配合は安定が難しく」、結晶性の高さを解決して化粧品に配合し心地好く使えるテクスチャーにするには他の成分とのバランスも重要な課題になるのではないかと想像します。
セラミドは、「効果量と製品の安定とテクスチャー」の戦い成分かも。
その他
界面活性剤は
「ステアリン酸ソルビタン」
「ポリソルベート60」
「ペプチドCP(オリゴペプチド-24)」の配合。
これは潤いの源でもあり、肌を保水をします。
社による「敏感肌の方の協力によるパッチテスト済み」で、無香料、低刺激、パラベンフリーでもあります。
成分表
水、グリセリン、BG、ワセリン、トリエチルヘキサノイン、ミネラルオイル、ペンチレングリコール、ステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、ラノリン、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド6II、セラミドEOS、カプロオイルフィトスフィンゴシン、カプロオイルスフィンゴシン、ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン、コレステロール、ベヘン酸、塩化Na、塩化K、ピリドキシンHCl、セリン、オリゴペプチド-24、ジメチコン、セタノール、ステアリルアルコール、トコフェロール、カルボマー、EDTA-2Na、TEA、セテアレス-25、PEG-60水添ヒマシ油、ベヘニルアルコール、フェノキシエタノール
ボトル
ボトル 200mL
大容量ポンプボトル 400mL
つめかえ用 370mL
便利なポンプタイプはデカめ。
使わないかも?で買った控えめな200mlはひっくり返さないといけないから面倒。
よって、リピートは400mlにしました。
ルックスがビミョーだから、好きなボトルに詰め替え用を入れることも思い付いたけど、台所洗剤以外のものを詰め替えるのが大嫌い(衛生上の問題と邪魔くささ)だったことを思い出し、素直にそのまま使っています。
高保湿先行バリア乳液
こちらは基本(あくまでも基本)、「先行」、つまり化粧水の前に使うプレ化粧水のようです。
なつかしい。
かのアルビオン及びコスメデコルテ方式です。
この乳液の「先行型」は、「後に使う化粧品の刺激を緩和するため」らしく、特に敏感肌のケアには向いています。
ちなみにですが、アルビオン及びコスメデコルテの先行乳液は、コットンに山盛り乗せて(肌を擦らないようにするため)、肌に塗る方式でした。
これは、「不要な角質除去作用もある」と説明された記憶がありますが、あれだけ山盛り乗せたらほとんど擦れないし、その説明はビミョーなイメージではありました。
確か、能書みたいなものには、「不要な角質」ではなく、「 クレンジングで残ってしまった油を乳液の油でしっかり落としてから化粧水を使う」とあり、ええっ!洗っても汚れを含んだクレンジングの油が残る洗顔剤(使っていたのはエクシア)なのか?という引っ掛かりもありつつの過去。
で、この高保湿先行バリア乳液は手で使うと思われますが、先行で使う場合、好みでコットン山盛り使用も大丈夫だと思います。知らんけど。
「先行で使う場合」と書いた理由は、こちらは名前は「先行」だけど使い方は自由で、後での使用もオッケーだそうです。
特に「先行じゃなきゃダメ」ではない点、気分的に取り入れやすいです。
私は普通の乳液のように後使用しかしていません。
(くだらない余談・アルビオンやコスメデコルテの先行乳液を使っていた頃、先行乳液は後で使ったらどうなるのか?意味がないのか?処方が違うのか?ずっと疑問でしたが、結局、かなり長年使ったくせに試さぬまま、特に調べもしないままでした。ちなみにアルビオンはエクスヴィシリーズ(今はクリームだけみたいです)よりエクシアシリーズの方がかなり緩く、コスメデコルテはAQシリーズのみに系統しました。中ではエクスヴィが最も重たく、AQは製品自体の見た目がちょっとプラスチックっぽい光沢系で、馴染みは軽いエクシアが一番よいように感じていました。)
テクスチャー
高保湿フェイス&ボディ乳液より軽いです。
極端ではないけど薄い、といっても大袈裟ではないかも。
比べると、いわばサクッとした感じ。
高保湿フェイス&ボディ乳液と比べるから薄いだの軽いだのといってしまうけど、比べなかったら乳液としてしっかりしています。
こちらは「フェイス用」かもだけど、全身に使っても支障はないと思います。
高保湿フェイス&ボディ乳液のネラっと感が苦手な方にはこちらの方がいいかも。
または、高保湿フェイス&ボディ乳液より夏向きかと。
チョイスは感触的なお好み次第。
でも、潤いを求める友人には、彼女のテクスチャーの好き嫌いなど無視して、迷わず高保湿フェイス&ボディ乳液の方を勧めました。
極端な言い方をすると、高保湿先行バリア乳液の方が水分が多く、そのためにはもしかしたら添加物も多いかも知れないので、乾燥肌に付きものでもあるトラブルを避けた方がよいと思ったからです。
通常は、こちらでも充分な保湿保護力を感じるので、季節や肌状態によってはこちらの使用で問題はないと思います。
ただ、個人的には「ケアの最後のフタ」にするには若干、水っぽさによる引き吊りを感じるので、クリームを薄く重ねたくなります。
成分について
こちらも、上記の理由と同じく、配合量は少ないとは思いますが、ヒト型5種類、類似体3種類と、セラミドを8種類配合しています。
ヒト型セラミド(セラミド6II、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミドEOS)
セラミド類似体(カプロオイルスフィンゴシン、カプロオイルフィトスフィンゴシン、ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン)
多めのワセリンは、ベタつきにくい高圧乳化技術仕様とのこと。
トリ(カプリン酸/カプリン酸)グリセリル=エステル系保湿成分
水添レシチンは、両性界面活性剤
ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシンは、セラミド疑似体
オリゴペプチド-24は、アミノ酸が2~20個程度ペプチド結合したもの
ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテルは、親水性増粘剤、ゲル化剤
成分表
水、ワセリン、グリセリン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ペンチレングリコール、水添レシチン、ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン、セラミド6II、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミドEOS、カプロオイルスフィンゴシン、カプロオイルフィトスフィンゴシン、グリチルリチン酸2K、オリゴペプチド-24、塩化Na、塩化K、ピリドキシンHCl、セリン、BG、PEG-60水添ヒマシ油、酢酸トコフェロール、パンテノール、コレステロール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、ベヘン酸、ジメチコン、クロルフェネシン、セテアレス-25、キサンタンガム、セタノール、ベヘニルアルコール、フェノキシエタノール
ボトル
ポンプボトル 130ml
詰め替え 130ml
こちらは基本、フェイス用だからなのか、130mlでもポンプタイプで使いやすいです。
まとめ
- ・高保湿フェイス&ボディ乳液=濃厚、乾燥気味の時、冬に最適
・高保湿先行バリア乳液=比較すると軽め、夏にも使いやすい、最後のフタにするには若干の水っぽさによる引き吊り感あり、クリーム重ねに便利・セラミド量は少ないけど、存在感あり
・ワセリン多めの基剤により、かなりの度合いで潤い閉じ込め力とバリア力あり
・どちらも顔を含む全身使用オッケー
「先行」は絶対ではなく通常使用オッケー・最目的が潤いとバリア強化としたらば、テクスチャーも効果も素晴らしいフォーミュラバランス
・一家に1つ、安心乳液