ーーー自己使用はお勧めしたくない漂白剤ハイドロキノンーーー
性懲りもなく、ハイドロキノンを個人輸入してみました。
理由は単純です。
化粧品は効かない(効いてはいけない)けど医薬品は効くから、ついつい、って感じです。
目次 / contents
トレチノインとの併用ではない単体使用
トレチノインのポイント塗りで、どんどん濃くなっていた約35年ものの1mm×5mmくらいの長細い君臨シミがかなり薄くなりましたが、シミが完全に消えるまで頑張らなかったのは、トレチノインを塗るとピンポイントであれ、その周囲も含めて肌がビニールみたいになるからです。
ピンポイントにしか乗せなくても、浸透力が高いのか、多少の周囲まで広がります。
一時的であれ、表皮表面のワシャワシャとした小皺に自身が気分が悪くなるため、ソコソコで止めたのです。
紫外線が弱いうちにまた挑戦しようと思いつつ、左頬ほぼ真ん中という目立つ場所だけにビニール肌がイヤだな~が勝ってしまい、気がつくと経時でまた少し濃くなって来たような気がしました。
でも、トレチノインはイヤだな~
でも、せめて淡くなった分、また濃くなるのは勘弁してよ~
※ーートレチノインがシミを淡くしたり無くしたりする仕組みのおさらいーー
トレチノインは表皮の細胞を活発に増殖させて表皮の細胞をどんどん押し上げる。
よって、ターンオーバを2週間程度に速めるため、基底層にあるメラニン色素がサッサと角質層に上がって、2~4週間で外に排泄される。※
※ーー医療での「トレチノインとハイドロキノンの併用(トレチノイン、ハイドロキノン療法)」ーー
は、「できちゃったシミを排泄しながらメラノサイトでのシミの生成を阻害する」といった仕組み。
ーー併用の注意ーー
ハイドロキノンはトレチノインと併用すると、浸透力が高まるため、ハイドロキノンそのものが抱えたリスクも高くなるので、必ず医師のもとで使いましょう。※
要するに今回のハイドロキノン単体使用は、
「濃くしないためだけならトレチノインとの併用ではなく、ハイドロキノン単体でこれ以上の生成を阻害すれば良いのではないか?」
という、シロウトが思い付いた単純な発想です。
化粧品としてのハイドロキノンの歴史は写真の現像から
ハイドロキノン(ヒドロキノン)の主成分は、イチゴ類やブルーベリー、麦芽、コーヒー、紅茶などにも含まれる化合物です。
「天然材料」といったら優しいイメージですが、皮膚への実体はクセモノです。
古くからハイドロキノンの還元作用を利用して、写真の現像や染料、ゴムの酸化防止剤として使用されており、「写真を現像していた人の肌が白くなる」すなわちハイドロキノンの美白作用を発見。
杜氏とかパン職人とか写真現像人の手が白いのは何故だ?そうか、なるほど、じゃあ美白剤にして売ったろ!って発想には頭が下がりますなぁ。
実効濃度のハイドロキノンは、ハイドロキノン以外の美白剤であるアルブチン(ハイドロキノン誘導体)やコウジ酸、プラセンタエキス、エラグ酸などなどのおよそ100倍の威力を持ちます。
米国ではずいぶん前から化粧品に配合されています。
米国での化粧品に配合できるハイドロキノンの濃度は、2%限度と言われていますが、在米の友人によると、普通の薬局で2~3%濃度のものが販売されているようで、よく分かりません。
日本では2001年に薬事法が改正されて以降、ようやく2002年に認可されたため、配合された市販化粧品が出てきましたが、たいていはリスク回避のために実効濃度に届かず、期待は淡いです。
しかしながら恐ろしいことに逆に濃度の上限も決められていないので、たまに高濃度の化粧品もあるようで、危険です。
ただし、市販のものは仮に5%濃度と書いていても薬効力を落とした「もどき」とも言われてはいます。
実効濃度のハイドロキノンを(経過を診てもらいながら)リスク低く使用するには皮膚科医での処方が必要です。
ヨイコは皮膚科で処方してもらいましょう。
ハイドロキノンの美白原理
ハイドロキノンは、メラニン色素の分泌に関わるチロシナーゼとメラノソームに同時に働きかけます。
⚫チロシン代謝
チロシン(芳香族アミノ酸に属する非必須アミノ酸の一種)がフェニルアラニン(必須アミノ酸)のヒドロキシル化で合成される
↓
チロシンがチロシナーゼ(酸化酵素)により酸化される
↓
中間体l-ドーパ(神経伝達物質アミノ酸)が直ちに酸化され、ドーパクロム(メラニンの生合成の中間体)に変化する
↓
更にドーパクロムは別の酵素の作用で重合してメラニンになる
↓
黒褐色色素メラニンは、過剰の太陽光を吸収する(ナチュラル防御)
⚫ハイドロキノンによる阻害
メラニンへの変化を促すチロシナーゼという酸化酵素(アミノ酸であるチロシンを酸化してメラニンをつくる酵素)の働きを阻害
↓
阻害によって、チロシンやドーパの酸化が防がれ、結果的にメラニンの供給量が減る
⚫ハイドロキノンによる分解
メラノソーム(メラノサイト内に存在する器官)を分解
↓
メラニンの合成過程「チロシン→ドーパ→ドーパキノン → メラニン」を断ちます。
しかし、メラニン色素は基底層だけではなく、表皮、真皮、脂肪層のどこにでも存在します。
※皮膚は目に見えている表面から順番に
「表皮→真皮→脂肪層」に大別され、
表皮は表面から順番に
「角質層→顆粒層→有棘層→基底層」に分けられます。※。
よって、多分にトレチノインもハイドロキノンも肌の表皮、浅い部分にだけ有効だと思われます。
ハイドロキノンは「肌の漂白剤」との異名があるだけに出来ちゃったどんなシミをも漂白すると勘違いしてしまいそうになりますが、知る限りの理屈からして
「表層のみの漂白」
と
「今後できるシミの発現予防」
であり、
「根底シミの改善は難しいような」気はします。
つまり今後できるシミの「阻害」はできても、できちゃった深いシミや跡の改善には有力ではないと考えます。
知らんけど(^-^ゞ
表皮シミとして、阻害効果が期待できるのは
- 老人性色素斑(名前は落ち込むが、20代でも発生する日光によるシミ)
- 肝斑(頬などに左右対象にできるシミ)
- 炎症性色素沈着(傷やニキビの跡にできるシミ)
効果が無いとされるのは
- そばかす=遺伝性のため
- 扁平母斑(茶色いあざ)
- 老人性疣贅
とのこと。
シミが濃くなる可能性
なんと
ハイドロキノンを使用して、逆にシミが濃くなる可能性があるそうです。
それは、
メラニン色素というとシミの元凶のみと思われ勝ちですが、実は「天然の紫外線吸収機能」を持つため、何かで対策をせずに浴びちゃった紫外線から人体を護るイイヤツなのです。。
これがなければ、日光の下を歩けないと言っても過言ではないです。
闇夜にのみ活動、もしくは地底生活、海底タンク生活に。
問題は、ハイドロキノンの塗布によってメラニン色素を失わせている状態は、紫外線に対して無防備な状態です。
ハイドロキノンの塗布は
「メラニン色素を阻害」して「シミを作らせない」や「できちゃっているシミを濃くしない(消せない、あくまでも「濃くしない」)」ことはできますが、ナチュラル防御機能を失わせるため、「紫外線を浴びたらできちゃっているシミが濃くなる可能性」もくっついて来る可能性を懸念されています。
なので、皮膚科では夜のみの使用を推奨されています。
どこに「朝晩使用」とか「1日2回使用」と書いていても、夜のみの使用が無難です。
また、たとえ夜のみ使用であれ、使用中は「SPF20以上」の日焼け止めでの紫外線対策を忘れませんよう。
リスク
ハイドロキノンもトレチノインやピュアビタミンCなどと同じく、濃度が高いほど強く作用しますが、副作用リスクも大きくなるようです。
主に「肌の赤み」や「かぶれ」「皮剥け」または「白斑(肌色が色抜けして白くなる)」の症状があります。
「肌の赤み」「かぶれ」は、ほとんどがほぼすぐ、または短期間で発症するようです。
(鋼鉄ババ肌発揮か?で、良くも悪くも手応えなく、「ようです」だらけですみません(-人-;))
また、稀にアレルギー反応を起こす場合があり、度合いによっては酷い後遺症に至るようです。
「白斑」は、濃度が高い場合は短期間、濃度が薄くても長期間の使用で発症するようです。
長期使用の「長期」がどれくらいなのか?
3ヶ月というデータもあれば、8週間というデータもあります。
自己使用の場合は8週間程度が無難かと。
使用8週間もしくは3ヶ月、お休み3ヶ月の繰り返し使用推奨。
※昔、どこかで読んだには、記憶に間違い、あるいは早とちりがなければ、1940年代に使用して白斑ができたのは、ハイドロキノンではなく、ハイドロキノンモノベンジルエーテルとかいう物質です。
ハイドロキノンモノベンジルエーテルは色素細胞に対する毒性が強いため「不可逆的白斑」を発症するとかで、日本では、これによってついでにハイドロキノンも長く認可されずにいたとのこと。
だったような。間違っていたらごめんなさい。※
一応、5%濃度以下での白斑の発症報告はないようではあります。
また、マウスやラットによる動物実験では、5%濃度のハイドロキノンで肝臓や腎臓の発ガンの誘発、発生が認められています。
(ヒトでの因果関係は現時点では不明。)
濃度5%以下の場合も、様々なリスク回避のためにずっと継続せずにお休みしながら使うべし。
妊娠中や授乳中の人は医師に相談してから使用とのことです。
最悪の懸念
しかし。
どこで聞いたかどこで読んだか?
知り合いの外科の女医さんだったような。
ハイドロキノンは、シミの原因であるメラニン色素を作らせなくする漂白剤であり、消失するのはメラニン色素を含む表皮細胞、
なのですが。
なんと、メラノサイトに対して、細胞毒性があるそうなのです。
もっというと
メラノサイトをコロす
です。
※細胞毒性とは、
- 細胞膜の完全性を失う
- 細胞溶解
- 成長や分裂を止める
- アポトーシス(健全であれば制御されている「細胞死に至る遺伝的プログラム」を活性化する)を起こす
- ネクローシス(急速に死滅する)に至る
など、細胞に有害な影響を及ぼす性質のことです。※
先にも書きましたが、メラノサイトは人体を護るイイヤツでもあるため、メラノサイトそのものをコロされては困ります。
メラノサイトはシミ製造機でもありますが、護身のためには維持すべきなのです。
メラノサイトがインターロイキン(細胞間コミュニケーションの機能を持つ一群のサイトカイン)を受け取る過程を100%阻害してしまった場合、必要最小限のメラニンを作れなくなってしまいます。
つまり自身も紫外線でシぬのであーる。
そのうち、名探偵コナン当たりで「ハイドロキノン殺人事件」なんて起こったり?しないか。
いずれにせよ、ハイドロキノンは人体に変化をもたらす物質です。
しつこいですが、やはり医師の指示のもとで使いましょう。
メラライトフォルテクリーム(ハイドロキノン4%クリーム)
4%の理由
購入したハイドロキノンクリームのメーカーは、「Abbott Healthcare Pvt. Ltd.」という製薬会社。
ブランドはNicholas Piramal (ニコラス・ピラマル)。
名称は「メラライトフォルテクリーム ハイドロキノン」
製造国はインドです。
またあの「複数個買えば買うほど単価が安くなる」ケッタイなシステムの販売に惑わされそうでしたが、ハイドロキノンについては3本に止めました。
漂白効果と副作用のバランスを考えられたハイドロキノンの実効濃度は「4%程度」とされている様子。
場合によりますが、ほとんどの皮膚科医でも、たいていは濃度4%が処方されるので、同じくの4%を選びました。
4%以上では刺激が強く、肌荒れ等の頻度が高くなるようです。
このクリームは、
有効成分のハイドロキノン 4%。
なんと、オキシベンゾン 2.5%、オクティノクセイト 9%!
最悪にも紫外線吸収剤が配合されています。
私が購入したところの説明では、どこにも書いていなかった気がします。
ガーン。
絶対に夜だけ使おう。
って
寝る前に紫外線吸収剤を塗るハメになったよね。
基剤は「二酸化チタン含有クリーム」て...
これまた寝る前に紫外線散乱剤を塗るハメに。
親切なつもりの紫外線防御剤配合は、私には仇。
防腐剤のメチルパラベンは0.077%、プロピルパラベンは0.016%、エチルパラベンは0.016%。
テクスチャーと匂い
不透明で真っ白なクリームは、伸びるような伸びにくいような変な質感。
先に塗るもののテクスチャーが影響して、伸びやすかったり伸びにくかったり。
もしくは、これの後に塗るものが伸びにくくなる場合あり。
なんとなく時代がかった古くさいテクスチャーなのです、
ちゃんと油分を抱えていないけどシリコーン系ポリポリポリマーなクリームほどに軽く滑らかでもない。
もちろん「クリーム」でありながら、通常のクリームではありません。
「クリーム状のハイドロキノン」というだけです。
保湿、保護力は全くありません。
他に求めましょう。
匂いはオモチャっぽく、私的には合成洗濯洗剤。
誤解を恐れずに、偏見ではないただの例えでもっと言うなら、メキシコとかラオスとかの合成洗剤洗剤みたい(あくまでもイメージ)。
あまり使いたくなる匂いではありません。
劣化しやすいから
ハイドロキノンは酸化しやすいそうなので、開封したらトットと使ってしまうべきです。
30g入りならば、長くとも2ヶ月くらいで使い切るのが理想かも。
私が購入したものはアルミチューブです。
クリームが黄色っぽくなっていったら完全にアウトです。
すぐに捨てましょう。
白いままでも、もし酸化したものを塗ったらケアどころか肌荒れを起こすので、早々に使い切りましょう。
しかしながら、普通の滑らかなクリームなら30gは2ヶ月と持たないのですが、
- 微妙なテクスチャーであること(全く重ねたくないテクスチャー)
- 全顔にしっかり塗らない「気になる部分塗り」になってしまうこと
- 夜のみの使用であること
で、2ヶ月で使い切るのはなかなかに難しく。
そこでまず、首やデコルテにも塗るようになりました。
それでも多いので、途中から手、肘、膝にも塗るようになりました。
これで捨てずに1ヶ月で使い切れます。
効果
だいたい3ヶ月経ちましたが、特筆すへき何かは感じません。
かといって、くすむわけではなく、シミも濃くはならず。
手はなんとなく白くなりました。
そろそろ3ヶ月のお休み期間に入ります。
って感じです。
ダラダラ書いて、結論これだけ
って
書いた私がショックやわ( ̄□ ̄;)
とりあえず、合うか合わないかを試すことに問題はないと思います。
ただし、
- 開封後の製品の早い劣化
- アレルギー
- 長期使用による白斑
- ナチュラル紫外線予防作用の邪魔をする
- 長期使用、多量使用による毒性
には気を付けて使いましょう。
というか
シミは敵だけど、こんなヤヤこしいもの使う必要なくね?
が本音です。
市販のハイドロキノン化粧品
市販のハイドロキノン含有化粧品について調べてみたら、けっこうたくさんありました。
医薬品よりは絶対的に使用感がよく、保湿剤等の配合も高いので、使いやすいとは思います。多分。
ただし、実効濃度に達しているとは思えないもの、もしくは濃度5%以上につき怖いなぁ~なものまでありました。
皮膚科に通わずにハイドロキノンケアをしたい方々は、充分に考えて使いましょう。
- アンプルール/ラグジュアリーホワイトコンセントレートHQ110
濃度2.5% - ビーグレン/QuSomeホワイト2.0
純ハイドロキノンをカプセル化させ、安全にしっかり肌に浸透するため、濃度5%並みの効果がある、とのこと - KISO/安定型ハイドロクリームSHQ-10
濃度10% - ワキキュア /ハイドロキノンクリーム
濃度4% - ランテルノ/ホワイトHQクリーム
濃度5% - VELUS/HQポイントケアクリーム
濃度5% - ルシフェル/ハイドロキノンクリーム
濃度5,5%