
ーーーいわゆるハンガリーウォーター的なもののティンクチャー(チンキ)を作ってみたーーー
ハーブウォーターを作るためには、まずティンクチャーが必要なので、久しぶりにティンクチャーを作りました。
ティンクチャーとは、アルコールでハーブの有効成分を抽出した液体で、いわばハーブウォーターの原液のようなものに当たります。
ラテン語由来で「チンキ」ともいいます。
目次 / contents
20年前からのティンクチャー作り
ティンクチャーを初めて作ったのはかれこれ20年前(当時の記録によると2006年です)、初めて石鹸を作ってみた頃と重なります。
ルイ14世との出会い
きっかけまで遡ると。
コスメをいろいろ使っていた時にジュリークに出会い(当時のジュリークは今のような「もどき」ではなく、本気を感じるオーガニックブランドだと感じていました)、そのうちにDr.ハウシュカやタウトロッフェンに出会い、ソルーナやジャネス、アタノール、次いでヴィ・アロームなどに出会いました。
中では一番最初のジュリークの商品ラインが最も一般的に使いやすい構成であり、最も一般商業化していると感じました。
何故なら、ジュリーク以外は一般の化粧品ラインでは見当たらない戸惑うような商品構成だったり、本気過ぎて逆に強烈だったり物足りなかったりで、ある意味でそれまでの当たり前のケアが当たり前ではなくなり、「何故それを使うのか」「何故この順序で使うのか」または「順序なんて変えても問題がない使い方」を考えるきっかけにもなりました。
もちろん、だからといって普通のケアものを丸ごと止めたわけではなく、
見てくれのわりに中身おバ○なゲランもラ・プレリーも気分的に好きだったし、
ボッタ○リで効かないAQミリオリティやクレ・ド・ポーボーテも使いやすさが好きだったし、
化粧品らしさより成分優先で使いにくいDr.ペリコンやズィービガッティも効果的に大好きでした。
「明確な化学物質」に対して「完全には解明されないがゆえにぼんやりとした自然物質」。
どちらにもメリットデメリットがあり、「イイとこ取りしたい」という小賢しさを覚え、「いちいち理由と理屈と使い方を考えるようになってしまっただけ」です。
そんな折、アタノールの「ルイ14世」というハーブウォーターに出会います。
ジュリークやDr.ハウシュカのハーブウォーターとは全く違いました。
ルイ14世のもの凄い凄みや折り重なる多数のハーブのシナジーパワーに驚きました。
が、円みからは縁遠い感覚で、肌が痛いのです。
場合によっては希釈して使用するものだったのかも知れませんが、意地でストレート使用をしていました。
使い心地に反して、顔色が冴え、肌密度が上がるような効果を感じました。
ただ、その凄みと痛みに完全には慣れず、たまにしか使わなくなりました。
そして、その凄みと痛みの原因は、もしかしたら溶剤(基剤)にエタノールを使っているからではないか?と考えました(かどうか真実は知らんけど)。
(その後に使ってみたSHIROのハーブケアウォーターの基剤もエタノール(とヤマヨモギ葉水)でした。)
欲しいものがないから作る
そこで、私は元来、手作りの化粧品には全く興味がないどころか毛嫌いさえしていたのですが、「欲しいものがないから作り始めた石鹸やブレンドオイル」と同じく、「エタノールを使わないハーブティンクチャーが欲しい」ので作り出しました。
ティンクチャーの溶剤
何故アルコール?
溶剤(基剤)は何故アルコールなのか?
ハーブは、アルコールに浸けることで水溶性成分と油溶性成分の両方の有効成分を効率的に抽出することができます。
水やお湯では水溶性の成分しか溶け出さず、オイルに漬け込んで作る「インフューズドオイル」には油溶性成分しか溶け出しません。
(インフューズドオイルには、たいてい油溶性成分を多く抱えたハーブが使用されます(カロテノイドやトリテルペノイドの含有が多いオトギリソウなど))。
よって、ティンクチャーの溶剤として、水溶性成分も油溶性成分も溶け出してくれるアルコールは不可欠です。
しかし「エタノールを使わない」が目的でもあるので、エタノール以外で選びます。
どのみち度数が高いアルコール(蒸留酒)は肌当たりがよいわけではありませんが、できるだけ円やかに仕上がるものを探しました。
ウイスキー(醸造酒を蒸留したもの)やブランデー(果実酒を発酵させてから蒸留したもの)でも抽出はできますが、そのものの香りが際立ち過ぎるため、雑味のない「ウォッカ」や「ホワイトリカー(甲類焼酎)」といったものが理想的だと思います。
ホワイトリカーは一度だけ試しましたが、個人的に焼酎嫌いもありつつ肌当たりといった意味では進んで使いたいとは思えず、パスすることにしました。
50℃程度のウォッカ一択へ
そして、度数の異なるウォッカをいくつか試しました。
ウォッカって、イメージではカクテルベース、もしくはグイッと飲み込む酔っぱらいのためのお酒みたいだけど、穀物などを原料とする蒸留酒(糖化、発酵、蒸留を経て作られる)であり、例えば白樺の活性炭などでろ過されるため、無色透明で雑味のないクリアーさを持つ「綺麗なお酒」であり、アルコール度数が高くて分かりにくいけど、実は円やかさも持つお酒だと思います。
ウォッカは最初、ハーブの成分をガンガン抽出できるような気がして、飲むと火を吹きそうな94℃で試しましたが、ハーブの成分が出てからハーブの香りを確かめるにも、キーンとしたアルコールのキツさが拭えず、こりゃーダメだと、70℃、60℃と少しずつ度数を弱めていき、結果的に約50℃くらいのウォッカが一番、ハーブそのものの円く柔らかく和やかな香りが立ち、アルコール臭さが隠れてくれました。
以後、自作ティンクチャーの溶剤はウォッカ派になりました。
ハンガリーウォーターもどきの原液ハーブティンクチャー
久しぶりの覚醒
ウォッカだのハーブだのの材料選びは楽しいものではありながら、出所やらクオリティやらにこだわればこだわるほどにだんだん無精になり、めんどくせー気持ちが勝って長らく作りませんでしたが、今年の夏の終わりに突然、覚醒(笑)しました。
作りたい作りたい作りたいって。
何につけ、お仕着せや枷で作ってもロクなものはできません。
作りたいと思った時に作るほどに美しいものが出来上がります。
本当はローズマリーをブランデーと共に蒸留を繰り返して作られるハンガリーウォーターだけど、無理ゲーだからベタに簡易なティンクチャー希釈仕様を
今回は久しぶりにハンガリーウォーターもどきを目指して、7種類をブレンドしました。
ハンガリーウォーターについては様々な文献もあり、ここでは説明を省きますが、簡単にいうと、もともとは地中海沿岸で採れる良質な「★ローズマリーの蒸留水★」で、現代ではハーブをアルコールに漬け込んだ原液(ティンクチャー)を化粧水にしたものを指します。
14世紀のイタリアの修道院で最初に作られ、中世ヨーロッパでは治療薬や香水として愛用されていたという歴史ものです。
「ハンガリーウォーター」と呼ばれる由来は有名です。
リウマチや通風で苦しんでいた70才のハンガリーの王妃エリザベート1世が、塗布や飲用で健康と若々しさを取り戻していったため、「ハンガリー王妃の若返りの魔法水」として命名されたそうです。
★現存するハンガリーウォーターのレシピには、
「ローズマリー(&タイム)をブランデーと共に蒸留を繰り返して作られた」
とあるので、厳密にはただのティンクチャーウォーターとは違うようです。
が、それは酷く手がかかって通常では作りにくいため、現代ではアルコールでハーブの有効成分を浸出したティンクチャーから作るのが主体になってしまった様子です。★
7種類のハーブ
ティンクチャーのドライハーブはローズマリーが主役で、そこに加えるハーブは伝説のように様々、多岐に渡ります。
今回は奇をてらわず、基本に戻って選んでみました。

・ローズマリー
・オレンジフラワー(オレンジブロッサム)
・ラベンダー
・ローズレッドペタル
・ペパーミント
・レモングラス
・オレンジピール
元来のハンガリーウォーターに忠実にローズマリーの比率を多めの約45%くらいにしてみました。
今回のハーブの量は全体で200g強です。
有機農業による無農薬、無化学肥料のものを選びます。
(カリス成城や南阿蘇オーガニック㈱のオーガニックドライハーブは種類豊富です。)
過程
エタノール消毒と煮沸消毒をしたガラスボトルにごっそり入りました。

ウォッカを注ぎます。

その後は毎日、1日2回くらいシェイクします。
仕込んだ翌日に見てみると、すでにウォッカは黄金色に染まっています。

最初、ハーブが膨らんでウォッカから少し飛び出ていました。
まだ暑い時期でもあったし、劣化、腐敗の原因になるので、ウォッカを足しました。
結果的に使用ウォッカの量は2リットルくらいになりました。
何につけ、「規定」とか「決まり」に窮屈さしか感じない性分なもので(中二病な)、ウォッカを適当に注ぎましたが、やはり「ハーブ1」に対して「アルコール(ウォッカ)10」という比率は正しいようです。
素直に従うべき規定かと。
2日目にはアンバーカラーになり、更に膨らんでしまいました。
見た目、気持ち悪いですね~。

シェイクができなくなるので、思い切って消毒したボウルに取り出し、2つに分けて、ウォッカを更に足しました。
ハーブが細々とボトル上部の空間にくっついた状態で見苦しい写真ですみません。
何度もシェイクしているうちに全部下に落ちました。

毎日シェイクしながら眺めました。
どんどん茶色くなっていきます。
約3週間後。
ますます気持ち悪くなりまして。
そろそろ保存のための消毒したガラスボトルを用意します。

ガーゼで濾して遮光ビンに移します。
2リットルのウォッカと約200gのハーブは、濾すとだいたい1リットルくらいになりました。
(濾過後のカスハーブをガーゼの袋などに入れて入浴剤にする方法もあるそうですが、うっかり捨ててしまいました。ゴミ箱がいい香りに。)
一気に多量を使用するわけではないため、大きめの遮光ビンに保存すると、使う度に上部に空間ができるので、よろしいとは思えません。
いちいち少量ボトルに入れ換えるのも手間だし、衛生上、気を遣います。
できるだけ空間を小さくするために50mlボトル20本に分けました。
すぐに使わない分は冷蔵庫で保存します。
度数の高いアルコールに漬け込んで作るので殺菌作用が高く、一般的には長期保存(1~2年)が可能といわれています。
私的にはフレッシュな時に早めに使い切りながら、小まめに作りたいと思います。

ウォッカだらけなのに、このままでも、よほどクンクンしないとアルコール臭は感じにくいです。
鼻当たり?というのか?嗅覚に円やかに柔らかくくすぐり、複雑に混じった穏やかな深いハーブの香りが漂います。

フローラルとかハーバルと一言ではいえない不思議な円い香りです。
好き嫌いはあるとは思いますが、私自身は使用材料全てが共に成熟したような香りに満足しました。
追って、10月に入ってからまた仕込みました。
次回はリンデン(Tilia europaea)やマーシュマロウ(Althaea officinalis)、ローマンカモミール(Anthemis nobile)も使ってみたいです。
※ ちなみに試しに少量だけ2週間で浸出した時の写真↓

もう少ししっかり浸出してみたくて3週間浸出しました。
写真↓

1週間差でかなり色が深くなっています。
浸出期間は長ければ良いわけではなく、長過ぎると多分にアクのようなものが出てしまう気がします。
時期にもよりますが、3週間くらいがよいように思いました。
ハンガリーウォーター(もどき)
希釈
短期間で使う分量だけティンクチャーを精製水で希釈して、ガラスのスプレーボトルに移します。
面倒がらずに全てエタノール&煮沸消毒をして使います。
精製水ではなくハイドロソル(芳香蒸留水)で希釈する方法もありますが、ティンクチャーにしっかりと香りがあるので不必要と感じる場合が多いです。
ティンクチャーに精油を混ぜるのも、何か違うものになるので気が進みません。
また、グリセリンを加える方法がありますが、ストレートも精製水希釈も違和感なく肌にスッと馴染むので、まだ加えたことがありません。
一般、精製水15~20倍に希釈するようですが、いろいろな濃度で試してみて、私はスキンケア用スプレーには約10倍くらいが濃すぎず物足りなさなく、ちゃんとハーブが香って心地がよい上に効果的にも過不足がないと感じます。
濃いと感じたら、また精製水で割ればよいだけなので、神経質に決める必要はありません。
多分に計算され尽くしたルイ14世のような効果には届かないかも知れませんが、肌の芯まで届く感覚ぎあり、肌色が冴えます。
市販のエタノール使用ティンクチャーよりかなり円く、肌に痛みはありません。
希釈したものにはアルコール臭もほぼ感じません。
とても使いやすいです!

使用例
使い方に合わせて濃度は自在に操れます。
・スキンケア
ハイドロソル(芳香蒸留水、フローラルウォーター)同様、スキンケアウォーターとして使用。
拭き取り化粧水にも保湿化粧水にもなり得ます。
髪や頭皮にも効果があります。
頭皮が本当に気持ちいいです。
・入浴剤
ティンクチャーを薄めずに50mlくらいを浴槽に入れます。
ジワっと芯から温まります。
・うがい薬、マウスウォッシュ
好みの濃度で。
・健康保持のための飲用
薄めて暖めてハーブティーに。
ウォッカベースなのでハーブ酒に。
ワインに混ぜてハーブワインに。
どれもめっちゃ温まります。
ティンクチャーはアルコールに漬け込んで作るので、体内への吸収がよく、特に飲用すると体に速やかに薬理効果を実感しやすくなるそうです。
・傷に
場合によっては、傷の手当にも有効で、湿布として使います。
軽い症状のうちに使用すると、症状の軽減が期待できるそうです。
※ 一般的にいわれる「心身の不調の改善や美容、健康増進」にまで役立つかどうかは分かりませんが、使うこと自体がとても心地がよいです。
ティンクチャーで石鹸作り
ハンガリーハーブ石鹸
ティンクチャーで石鹸も作りました。
(命名は思い付きです。)
ティンクチャーを
「火にかけてアルコールを飛ばしてから冷蔵庫で冷やしたものを苛性ソーダ水に加え」、
「常温のオイルや湯煎のみで融点まで少しだけ温めた植物バターと合体」。
トレースが出るまで攪拌し、型に入れて24時間保温。
約2ヶ月間、熟成乾燥してアルカリ度が下がったら出来上がりです。

オイルの構成やバランスによりますが、オレイン酸やパルミトレイン酸などが豊富なオイルの配合量を高めて、ケン化率を下げて(苛性ソーダ少量)、8週間ほど熟成してアルカリ度を下げると、滑らかで優しい石鹸が出来上がります。
余剰オイルや精油、または蜂蜜やクレイを加えて展開するのも楽しいです。
大事なアルコール飛ばし
昔、ティンクチャーのアルコールがちゃんと飛んでいなかったり冷えていなかったりで、苛性ソーダ水に加える時点で、苛性ソーダ水ごと噴水のように吹き出したアクシデントを経験しています。
危険なので、アルコールはよく飛ばし、よーく冷やしてから使わなければなりません。
個人的には嬉しくない石鹸のジェル化
長年の経験上の妄想かも知れませんが、ハーブ石鹸はジェル化(液晶化)しやすいと感じています。
多分にハーブの活性が強い場合に急激な自然発熱が起こりやすく、発熱持続が長いのてはないかと思います(思うだけで出鱈目かも)。
石鹸のジェル化については、また後日、ブログにしますが、簡単にいうと、最初に鹸化反応が起こっている時に、例えば長らく40度前後の保温状態が保たれる場合に起きます。
原因は材料だけではなく、気温、湿度などの環境にも左右されます。
ジェル化現象は最適な状態で鹸化が進んでいることにも繋がり、分子が綺麗に整列した状態になっているそうです。
ジェル化した石けんは特にマイルドな石けんになるという説はありますが、体感的には非ジェル化の石けんと使い心地に大きな差はありません。
ジェル化すると石けんの表面に白いソーダ灰がつきにくい点は魅力ですが、
通常、オイルが固まる際にできる中心の核から個体の結晶化が進むところ、過冷却で核がなかなかできず、石けん自体が個体化しにくくなって、すでに出来上がっていても見た目がムラになったりします(なんと、半年ほども放置すると綺麗にはなります。)
なので、申し訳なくも不細工な見た目になることが多いので、個人的にあまり嬉しくはありません。

注意
感覚的には優しく穏やかに働きかけるハーブではありますが、合わない場合には吸収が強いがためにとんでもないアレルギー反応が起こり得ます。
自然に由来するものといえば根拠なく安全だと思われ勝ちですが、。
原因物質が含有されている場合はむしろ危険ですらあります。
ハーブを利用する時には、できれば自身が何にアレルギーを持っているかを知っておきたいところ。
使用前には必ず二の腕の内側などでのパッチテストは必須です。
※ ただし、面倒なことに経験上、「昨日まで反応しなかったのに今日から急に反応した」ということもあります。
反応に変化があった時もパッチテストをしてみます。
今回使用の各ハーブの科名と主要成分と禁忌
- 
◾ローズマリー
 ・学名 : Rosmarinus officinalis
 ・科名 : シソ科
 ・和名 : マンネンロウ
 ・使用部位 : 葉
 ・主要成分 :フラボノイド、フェノール酸、ロスマリネシン、ロスマリン酸、トリテレペン、タンニン、苦味質、リモネン、α-ピネン、1.8シネオール、カンファー、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、カリウム)
 ・禁忌 : 妊娠中、授乳中の多量使用◾オレンジフラワー(オレンジブロッサム) 
 ・学名: Citrus aurantium
 ・科名: ミカン科(Rutaceae)
 ・使用部位: 花(ビターオレンジ)
 ・主要成分 : リナロール 、α-テルピネオール 、モノテルペン 、リモネン 、β-ピネン 、β-オシメン、酢酸リナリル 、酢酸ゲラニル
 ※ 精油は、花はネロリ、枝はプチグレン、果皮はビターオレンジ。
 ・禁忌 : 妊娠中、授乳中、吐き気を伴う偏頭痛がある時、関節炎の症状がある時の使用◾ラベンダー 
 ・学名 : Lavandula angustifolia
 ・科名 :シソ科
 ・使用部位 :花穂
 ・主要成分 : 酢酸リナリル、リナロール、フラボノイド、ノタンイニン、ラバンデュロール、リモネン、β-カリフォレン、テルピネン-4-オール、α-テルピネオール:
 ・禁忌: 妊娠初期の使用◾ローズペタル 
 ・学名 : Rosa species
 ・科名 : バラ科
 ・使用部位 : 花
 ・主要成分 : シトロネロール、ゲラニオール、フェニルエタノール、ネロール、リナロール、ポリフェノール:(タンニン、アントシアニン)、ビタミン:(ビタミンCなど)、食物繊維(ペクチン)、有機酸、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、鉄など)
 ・禁忌: 妊娠中・授乳中の多量摂取:妊娠中・授乳中の多量摂取、バラ科の植物にアレルギーがある方の使用禁止、品種によって瀉下作用(ダマスクローズRosa damascenaなど)あり◾ペパーミント 
 ・学名 : Mentha piperita
 ・科名 : シソ科
 ・和名 : 西洋ハッカ
 ・使用部位 : 葉
 ・主要成分 : メントール:、メントン:、フラボノイド、タンニン:、ロスマリン酸:
 ・禁忌: メントールによる皮膚や粘膜への刺激に注意
 胆管閉塞、胆嚢炎症、重い肝障害の使用に注意
 乳幼児の使用注意、妊娠中と授乳中は制限なし◾レモングラス 
 ・学名 : Cymbopogon citratus
 ・科名 : イネ科
 ・使用部位 : 葉
 ・主要成分 : シトラール、ゲラニオール、ミルセン、シトロネラール、ビタミン類:(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB群など)、ミネラル類:(カリウム、カルシウム、リンなど)
 ・禁忌: 妊娠中、授乳中の方:、低血圧の方:、イネ科アレルギーの方の使用に注意◾オレンジピール 
 ・学名 : Citrus aurantium
 ・科名 : ミカン科
 ・使用部位 : 果皮
 ・主要成分 : リモネン、シトラール、ゲラニオール、フラボノイド:(ヘスペリジンやナリンギン、ケルセチン)、ビタミン:(ビタミンC、ビタミンA)、ミネラル(カリウム、カルシウム、)、水溶性食物繊維(ペクチン)
 ・禁忌: ほぼ無し
余談・単体ハーブティンクチャーで個々の香りを知った
今回のテーマでは余談になるので最後にしましたが。
以前、凄く沢山の種類を作った時、各々の特性を知りたくて、何種類かは単一ハーブで抽出しました。
その時、ハーブの香りについて、かなり偏見していたことを知りました。
私はハーブティーがとにかく嫌いで(友人と一緒の時に振る舞われると「雑巾の絞り汁」とか「噛み過ぎたガムみたい」とか言って押し付けていたくらい嫌いです)、今でもハーブティーを振る舞ってくださるアロマショップやサロンでは丁重にお断りしますが、ティンクチャーはハーブティーとは全く違いました。
ティーは水溶性成分だけだからなのか、何か茶葉と混ぜたりしているからかも。
中で偏見だったことを強く感じたものは、「ジュニパーベリー」と「ジャスミン」です。
◾「ジュニパーベリー(ヒノキ科ビャクシン属)」は、そのもののスッキリとしたウッディな香りと共に精油に感じていた独特の甘みが「深い優しさ」といった感覚変わり、不思議なフローラルさを醸し出しました。
ジュニパーベリーはジンの香り付けの主体でもありますが、ハーバルやバニラやシトラスが入り混じったジンほどに複雑な香りではなく、ティンクチャーはもっと単純でありながら優しく深く可愛らしい香りでした。
有機栽培の自然乾燥によるハーブのティンクチャーであれば飲用もできますが、ジュニパーベリーはそのハイドロソル(フローラルウォーター)と同じく、利尿作用が強いので、まさしく解毒ティンクチャーになり得ます。
◾「ジャスミン(モクセイ科ソケイ属)」は、どこかにも書いたことがありますが、私は鯱張った中華料理店の「ムセるような匂いと香木の出汁ガラみたいな匂いが混じったジャスミンティー」が大嫌いなため、酷く悪い偏見を抱えたまま抽出しました。
(ジャスミンティーは一般的にアラビアジャスミンで香り付けしているそうで、生粋のジャスミンハーブティーそのものとは異なり、烏龍茶や紅茶とブレンドされているものもあるようです。飲まないから知らんけど)。
出来上がりを恐る恐る嗅いでみたら、なんと!嘘のように穏やかで優しくてイヤ味のない上品で美しいフローラルな香り」が立ち、ビックリしました。
ジャスミンの種類は何種類もあり、ドライハーブとして販売されているジャスミンは、たいてい「ハゴロモジャスミン」です。
ジャスミンティーとは似ても似つかず、ベクトルさえ違う気さえしました。
これで嫌い嫌いと避けていたジャスミンを好きになることができました。
ジャスミンの精油はさすがに濃いムセ系ではありますが、ティンクチャーから「過ぎたるは及ばざるが如し」を学び、ブレンドする場合は配合量を少なめに調整することで円く優しい存在になることに気付きました。
※ 精油には「ジャスミン(Jasminum grandiflorum)」と「ジャスミンサンバック(Jasminum sambac)」があり、ジャスミンサンバックの方がムセムセオンナオンナしない爽やかさを持ちます。
私の石鹸屋さん(みみちゃん石けん)の方で「茉莉花」という名前のブレンドオイルを作っており、「ジャスミンサンバック」を使用していますが、これはネーミングとして漢字を使いたかっただけで、「茉莉花」は実は香りの強い「アラビアジャスミン」を指します。スミマセン(-人-;)※
 
                         
                         
                         
                 
                                       
                                      